1970年から先進工業国で急速に増加した精神疾患の病気で、極端な食事制限や、過度な量の食事の摂取などを伴い、それによって患者の健康に様々な問題が引き起こされ、主に拒食症と過食症のことを摂食障害といいます。
また、人間関係のストレスが原因となることも多いと指摘されています。
拒食と過食は真逆のように思いますが、拒食症から過食症に移行するケースが7割を占めています。
摂食障害が日本で増加し始めたのは1970年代以降で、日本の有病率はアメリカやヨーロッパの先進国と同水準となっています。
また、女性が約9割と圧倒的に多いのが特色です。
日本のある調査では、女子学生の50人に1人が拒食症、25人に1人が過食症、10人に1人がその予備軍という数字です。
これまでの様々な研究により、摂食障害には共通する家族特徴が見いだされています。
子供時代は親の手のかからないよい子として過ごしており、経済的にも恵まれた、表面上は整った家庭に育っていてもその背後には見えない病理が隠れているということもあります。
摂食障害は拒食と過食が主な症状ですが、外に現れる病気ではないために精神病理から見なければならないわけです。
拒食症患者は例外なく「平凡恐怖」を抱えています。
また過食症は、極端なダイエットから反動として、過食になりやすくなります。
つまり過食は拒食のリバウンドといえます。食べたいのではなく、やせたい。やせていたいのに食べてしまうため、その埋め合わせに嘔吐をし、ときには下剤や利尿剤を用いてしまいます。
拒食症も過食症もスタートは拒食(ダイエット願望)からで、摂食障害の人の大半が、何らかのパーソナリティ障害があるようです。
それゆえに心療内科、精神科医、また心理カウウセラーなどの正しい分析と対応が求められます。
痩せることを賞賛する社会風潮は、摂食障害が増えている大きな原因の一つとなっています。
日本の女子高校生を対象にした調査では、全体の約9割が 「今より痩せていなくてはならない」と答え、痩せているほうがより良いとする社会風潮の影響をまともに受けていることがわかっています。
断食施設には、この10年間、摂食障害の人が来会されましたが、その要因は、断食で肥満を防ぐというだけではなく、体質改善、デトックスの要素が強いのではないかと思います。
拒食と過食は周期的に繰り返される場合が多く、心療内科医・精神科医など医師や心理カウンセラーの心理的なカウンセリングを受けて、心理的な側面から、解決をしていくことが求められます。
私どもの断食施設では、専門の心理カウンセラーと発酵ファスティング(断食)指導で、根本的な解決を探し求めていますので、ぜひお越しくださいますように。