ファスティング(断食)体験者はからだが軽くなったという経験をします。
私も初めてファスティングを体験した時、1週間断食でしたが、断食施設から自宅まで帰る間、からだが宙に浮いているぐらい軽く感じました。
実に軽やかで、気持ちが良かったことを覚えています。
確かに今までの体重から19kgも減量したのですから当然でしょうが、もう一つ、妻から「体が引き締まったね」と褒められたことが忘れられません。
そしてそれまで20年近く、鉛筆以上のものを持たない営業職でしたが、断食以後、農場の仕事をしても体が軽くて楽にできましたし、力仕事がどんどんできてくるのは、正直、驚きました。
そして断食明けからまず睡眠時間が少なく、目覚めも良いし、からだが軽いのですぐ起きて散歩にいきました。
断食で歴史に名を残した人をここで紹介します。ルイジ・コルナロで1464年に生まれ、1566年の102歳で没するまで非常に健康で当時としてはかなり長生きをした人物です。
コルナロはヴェネツィアの名門貴族で、公職として近隣都市の行政長官を務めました。
彼は40代半ばまでは好き勝手な食生活を楽しんでいたようです。
その放縦な食生活のせいでひどく体を壊しますが、極めて少ない食事つまり、半断食の実践によって甦り、自らの体験を食事の健康本として出版しました。
その本は「無病法」といい、日本でもPHP研究所から翻訳出版されて、世界各国でも今も読まれています。
ゆえにコルナロはイタリア人としては、ヨーロッパでは最も有名な人物となり、同時代のレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロよりもはるかに有名でした。
コルナロは80歳を過ぎても1日に8時間の書きものをし、乗馬や山登りを楽しんでいました。
83歳の時には声が朗々として、「人生で今が一番声が大きい」と言ったそうです。
老年になっても体は極めて健康で、「気分はいつも陽気で、心が曇ることは一時もない。五感はすべて完全で、歯も声も、記憶力も心臓も悪くなったり衰えたりしない。頭脳は以前より明晰さが増している。夜は完全に熟睡で、見る夢はどれも楽しいものばかり。声も衰えず、朝晩の祈りでは歌い出さずにはいられない。加齢によっての低下をまったく感じていない」と本に書き記しています。
また、コルナロが70歳の時、馬車が転倒し、大けがを負いました。
実はこの時、医師はあと4日の命と思っていました。
医師は瀉血する(汚い血を抜くこと)を提案しますが、コルナロは普段からの極少食によって自分の血が汚れていないことを確信していたので瀉血を断り、オイルマッサージだけをして見事に回復しました。
断食と超少食(半断食)はこうしてコルナロのように身も心も軽く、老いてもいつも楽しい夢ばかりを見ることができます。