ある笑い話になりますが、ある方が、医師に「気が付いたのですが、街を歩いていても70歳以上の人で肥満体の人はほんとうにいませんが、この世代はメタボ解消、ダイエットに成功したのでしょうか?」と聞いたところ、その医師はこう答えたそうです。
「そうではありませんよ、肥満体たちの方が先にあの世に旅立ったからなのですよ」と。
肥満はスリムな形の同世代から比べても死亡リスクがいかに高いかを物語るジョークでもありますが、断食は、肥満解消、メタボ解消、死亡リスクを1/3か1/4にするとまで言われています。
断食でどうして肥満やメタボが解消するのでしょうか。
肥満を測る計算式があります。
BMI(体格指数)です。体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=25以上は肥満といわれます。日本では25を超える肥満は、15歳以上で男性の26%、女性の21%といわれています。
肥満は病気であり、断食で早急に解消しなければなりません。
肥満はどうして病気なのでしょうか。
私たちの体内では、年齢とともに筋肉量や骨量が減り、からだを支える力が弱くなっていきます。
そこに肥満が加わると、骨や関節への負担が大きくなり、腰痛や膝痛などの関節障害を起こしやすくなります。
転んだりして急に大きな負担を受けると、骨折を起こすことも少なくありません。
また肥満は、高尿酸血症から痛風をまねいたり、脂肪肝やすい炎を促進したり、あるいは突然死の原因ともなる睡眠時無呼吸症候群にも大きな影響を及ぼしています。
さらに、大腸がんや前立腺がん、乳がん、子宮がんなど、多くのがんのリスクを高めることも指摘されています。
肥満との関係でもっとも注目されているのが、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。
また、これらの病気が重複して発症するメタボリックシンドロームとも、密接な関係があります。
肥満を放置していると、こうした生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけたり、もろくしたりして、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因ともなります。
日本人には小太りの人は多いのですが、欧米人のような超肥満体の人はあまりいません。
それは日本人の場合、もともとインスリンの分泌能力が低いため、少し太ると糖尿病をはじめとした生活習慣病になりやすく、それ以上は太れないためです。
それだけに日本人は、肥満にはとくに気をつける必要があるのです。
断食では、体重をかなり減らすことができます。
指導者に正しくコントロールしてもらえば、体重管理はできますので、生活習慣病になることはまずありません。
断食は自己流では絶対にしないようにしてください。
リバウンドでとんでもない肥満状態に逆戻りしますから。