北海度を旅すると広い牧草地でゆったりと草を食べる牛や馬をみます。
およそ600~700kgもある牛は、牧草以外には食べませんが、それにもかかわらず、強靭な肉体を持ち、そして牛乳を出してくれたり、牛肉を提供してくれますが、この理由は、微生物が持つ酵素なのです。
牧草だけを食べている牛は、当然、タンパク質をとっていませんが、あのような筋肉を生み出すのか、それは4つの胃袋で消化されにくい草を分解しています。
その草のなかからタンパク質から、栄養価の高いタンパク質を生み出す不思議な微生物と酵素が存在します。
人間は牛とはからだの構造は違いますが、肉や魚だけではなく、穀物、野菜、イモ、豆類、海藻、キノコ、果物からもタンパク質を合成できます。
ですから動物性食品を一切とらないベジタリアン(菜食主義)の人々の血液を調べますと、血液中のタンパク質は基準を満たしています。
日本でも、江戸時代までは、ベジタリアンは日本の伝統宗教である大乗仏教の重要な戒律の一つでしたので、ほとんど肉は食べていません。
最近も多くの研究で肉を食べると病気が増加し、野菜を多く食べるとガンなどの病気を予防できることが証明されています。
ですから肉を退け、江戸時代の食事に戻ることは、日本人の大半を占める生活習慣病を駆逐することになります。
牛だけではなく、人間のからだにも腸内細菌という微生物が住んでいます。
私たちの腸内にはたくさんの細菌が住んでいます。
これを腸内細菌といい、その内訳は実に100種類以上、数にして約100兆個ともいわれています。
なかでも、回腸(かいちょう/小腸の終わり)から大腸にかけては、その多様な腸内細菌が種類ごとにまとまって、ビッシリ腸内の壁面に生息しています。
それが、まるで様々な植物が種ごとに群生しているお花畑のようであることから、腸管における腸内細菌の様相を「腸内フローラ」と呼んでいます。
健康な人の腸内は、善玉菌が悪玉菌を抑える形で腸内フローラが一定のバランスで維持されています。
逆に、何らかの原因で悪玉菌が優勢になってしまうと、腸内腐敗が進みアンモニア、フェノール、インドールなど人の健康に有害な物質が増えます。
これらの有害物質が臭いオナラの原因になったり、もっとひどい場合は、有害物質が腸管から吸収されてしまい肝臓、心臓、腎臓などに負担を与え、老化を促進させたり、ガンをはじめとする様々な生活習慣病の原因になったりします。
健康な人の腸内は、善玉菌が悪玉菌を抑える形で腸内フローラが一定のバランスで維持されています。
逆に、何らかの原因で悪玉菌が優勢になってしまうと、腸内腐敗が進みアンモニア、フェノール、インドールなど人の健康に有害な物質が増えます。
理想的な腸内フローラの状態とは、善玉菌2割:悪玉菌1割:日和見菌7割といわれています。
それは健康を望むすべて人の願いですが、理想的なフローラバランスも、加齢や食習慣、ストレスなどの影響により崩れてしまいますので、それを整えてくれるのが、ファスティング・断食なのです。