【コルナロ語録・解説 19】
国家、民衆を導く指導者、聖職者、哲学者、文学者、科学者などの頂点を極めた人、
聡明な人の中にも50歳を超えて様々な病気に見舞われている人がいる。
そのような病に罹っても飲食を節制しない者たちもいるのである。
私はこの状況を見ると、彼らは慎み、節制の重大さをわきまえていない。
節制(超少食)にすれば、健康になるのだから。
今のような不節制の放縦な食生活を続ければ、まさに不治の病となって、
回復の見込みはなくなるのだ。
このようなことが若者ならば理解できないこともない。
若い時は官能が強く、いつもそれに突き動かされるからだ。
そして人生の経験も浅いからだ。
しかし、中年以上で初老に達した者は、
何よりも理性が官能より勝ってしかるべきである。
飽食こそ健康を損ない、早死にすることを早く悟るべきである。
飽食の楽しみは永遠に続く性質のものであれば、いくらか情状酌量の余地もあろう。
しかし、現実は、飽食(食べ過ぎ)が、病気の原因であることは明白なのである。
その病気の長さに比べると、飽食を楽しむ期間は極めて短いのである。
このことは真逆に節食で慎む生活を送る者は、
自分の健やかさを食事のたびに感謝をもって享受できるのである。
(86歳の講和-02「無病法」72-74頁から)
【解説 19】
現代でも国の指導者である政治家、企業の代表者で健康を損ねて、
志半ばで挫折する場合が多いのです。
心不全で66歳で急死したニュースは、
藤樹の宿の代表であります私の年齢と同年代だけにショックでした。
私も大杉さんの大フアンでしたし、ネットのニュースで、
ドラマ、バラエティー、舞台などにたくさん出演を控えていて現場は
大混乱ということでした。
この急死に対してある医師のコメントで
「心不全は、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、
だんだん悪くなり、生命を縮める病気なのですが、現在約100万人いますので
高齢化を背景に増え続けています。
2035年は132万人と試算され、
このままでは病院は患者であふれかえってしまいそうです。
心不全の原因となっている異常が完全に治ることは残念ながら少ないです。
でも、効果的な薬を飲めば症状を改善させたり、
入院の回数を減らしたりすることができます。
心筋への血流を良くしたり、血液の逆流を防ぐ弁を換えたりする手術もあります。
予防は可能で、高血圧や糖尿病、肥満にならないよう気をつけましょう。
そのためには、日頃から禁煙や減塩、お酒を飲み過ぎないことと適度な運動が重要です。」
とありました。
私もそうでしたが、60歳を超えて、突っ走り、
息せき切って走るのは愚の骨頂だと思います。
藤樹の宿では、来会者の方にとにかく
自分のペースでゆつたりとすごしていただくようにしています。
びわ湖の湖畔をゆつくり周って、のんびり過ごしていただくことが第一です。
びわいち(びわこ一周のサイクリング)のように走らなくていいのです。
藤樹の宿はまさに宿り木なのです。
スロー、スローで藤樹の宿で提供する超少食を
超スローでゆつくり噛んで食べていただくのです。
それがコルナロ流の生き方です。
これを遅くても60歳、いや50歳を超えたら、
皆さんがするべきではないでしょうか。
そして食も節制し、仕事もセーブして働き過ぎず、
よく寝て、快活に生きることが求められているのです。
短くて、家族や他人に大混乱と不安と負担をかけない生き方をしていきましょう。