食べ過ぎ、カロリーオーバーの肥満は、肥満低換気症候群を生み出します。
肥満があると、舌を含めて上気道の軟部組織も増えるため、軌道が狭くなることに加え、
腹部肥満などによる呼気予備量、機能的残気量の低下に代表される
肺機能の低下がなどあるために発生します。
さらに脂肪細胞から分泌されるレプチンには呼吸刺激作用があり、
肥満の場合にもレプチン抵抗性の状態になるため、
高二酸化炭素血症を招きやすいとも言われています。
この肥満低換気症候群とは、肥満(BMI30以上)と
慢性の高二酸化炭素血症を伴う病的状態を言うのですが、
大半、睡眠中に何らかの原因で呼吸が停止する睡眠時無呼吸症候群が伴っています。
眠っている間に呼吸が止まる病気です。
「SAS(サス)」とも言われ10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を
無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、
若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸と診断されます。
ただ寝ている間の無呼吸になかなか気付くことができないために、
検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいるようです。
この病気が深刻なのは、寝ている間に生じる無呼吸が、
起きているときの私たちの活動に様々な影響を及ぼすこと。
気付かないうちに日常生活に様々なリスクが生じる可能性があるのです。
この病気の最大要因は肥満ですが、それ以外にもアルコールの飲用扁桃が大きい、
上向きでの睡眠、下あごが小さい、加齢、鼻づまりなどの要因があります。
とくに 睡眠時無呼吸は40代から増加してきます。
これは、加齢により気道周囲の筋力や組織の弾力性が低下して気道がつぶれやすくなるからです。
無呼吸の時に、センサーを使って呼吸努力を測定すると、
覚醒時の5~10倍以上も苦しい呼吸になっているようですから、
まさに運動しながら寝ているようなものです。
そのため、寝汗をかきますし、口呼吸をするため、起床時に口内が乾燥し、
その結果、起床時に疲労感がかなり残ります。
また、頻回に覚醒反応が起こると睡眠障害となるため、起床時の頭重感、
日中の眠気などが出てきます。
このような睡眠中の呼吸障害が長期にわたり、無呼吸によるストレスのために
交感神経緊張状態が長く続くと、
高血圧や心疾患を合併する危険性が高くなります。
また、眠気による交通事故率の増加や、
最近、話題になった新幹線運転中の居眠りのような事故の原因にもなります。
いずれにしても肥満解消がかなり重要な決め手になります。
自ずと治癒していくものなのです。
私自身がその体験者なのですから間違いありません。
ここまで肥満関連疾患を23ほど紹介してきました。
一般社団法人日本肥満予防協会では、
11の肥満関連疾患をサイトで詳しく説明しておられます。
この大半は、紹介させていただきました。
また、同協会では、脂肪細胞の質的異常により起こる疾患を
下記のように分類されておられますので参考にしてください。
1・脂肪細胞の質的異常により起こる疾患
2・脂肪細胞の量的異常により起こる疾患
睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、整形外科的疾患
いずれも少食ファスティングは肥満解消に大きく寄与しますので、
藤樹の宿でチャレンジしてみてください。