腎臓は、ソラマメのような形をした、 成人の握りこぶしよりもやや大きい臓器です。
腹部に左右1つずつあり、 腸管全体を包み込む腹膜と背中の間にあたる、 後腹膜腔という場所に位置しています。
高さとしては、ちょうど肋骨の下端あたりです。
腎臓の主な働きは、血液をろ過して尿をつくることです。
尿は腎実質(実質はさらに皮質と髄質に分けられます) でつくられ、腎盂(じんう)に集められたあと、
尿管を通って膀胱へと送られます。
腎細胞がんは、腎臓にできるがんのうち、 腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍になったものです。
腎細胞がんと腎盂がんでは、 がんの性質や治療法が異なるためです。腎細胞がんには、 特徴的な症状はありません。
そのため、小さいうちに発見される腎細胞がんは、 他の病気のための検診や精密検査などで、 偶然に発見されるものがほとんどです。
肺や脳、骨に転移したがんが先に見つかり、 結果として腎細胞がんが見つかることも少なくありません。
腎細胞がんが大きくなると、血尿が出たり、背中・腰の痛み、 腹部のしこり、足のむくみ、食欲不振、吐き気や便秘、
おなかの痛みなどが生じたりすることもあります。
日本で腎がんに診断されている人は、腎盂がんを含めると約15, 000人と推定されています。
男女比は約2:1で男性に多く、 高齢になるほど発生頻度も高くなります。
もともと腎がんは、欧米に比べて少ないとされていましたが、19 80年代以降、増加の一途をたどっています。
背景には、食生活の欧米化や人口の高齢化、 さらに検査機器の発達によって偶然発見される腎がんが増えたこと が関係しているようです。
この腎臓にできるがんも、日本人に増加しているがんです。
腎臓は血液をろ過して尿をつくり、 からだの老廃物を除去する働きや、 血液や骨に作用するホルモンを分泌する機能を持つ臓器です。
背中側に位置していますが、背中の厚い筋肉の奥にあるので、 直接触るのは簡単ではありません。
そして、腎臓に腫瘍ができても、多くの場合症状が出ないのです。
そのため、現在のようなCT(コンピューター断層撮影) や超音波エコー検査がない時代には、
腎臓がんは進行した状態でしか発見されませんでした。
当時は、目で見える血尿▽おなかから腫瘍に触れること▽痛み-- が、腎臓がんを疑う兆候でした。
現在では、腎臓がんの多くは、人間ドックの際にCTや超音波検査 で「たまたま」発見されます。
専門誌で論文発表されています。
多くの研究で、 肥満が腎がんのリスク要因であると報告されています。
ところが、これらは、 欧米のような肥満の人の割合が多い国からの報告が多く、
肥満の割合が大きく異なるアジアからの報告はほとんどありません でした。
今回の研究では、 肥満の人の割合が少ない日本人でも肥満は腎がんのリスクであるこ とが確認されました。
がんのリスクが高まると考えられています。
加えて、 肥満の人では糸球体濾過率と腎血漿流量が増加していることが、腎 臓に障害を及ぼしていることが報告されており、
そのために、 発がん物質に対する感受性が高くなっている可能性も考えられます 。
やはり肥満解消が最大の予防となるのです。 藤樹の宿でダイエットは必須です。