Yahoo質問箱に「アルコール性肝炎で死ぬのでしょうか」 とあり、その回答は、
「大概は、アルコール性肝炎→肝硬変→死または、 アルコール性肝炎→肝硬変→肝臓ガン→死」 という経緯をたどります。
ただ私の経験上、アルコール性肝炎→肝硬変→劇症肝炎→死
アルコール性肝炎→劇症肝炎→死という方もいました。
ただ、下2つは、医学的に解明されていないこともありまして、 なんとも言えません。
飲み続ければ死ぬ。大概は上の2つです。」とありましたが、 アルコール性肝障害とは、
アルコールが原因で起こる様々な疾病の総称で、 アルコール性肝炎、アルコール性脂肪肝、 アルコール性肝硬変などです。
1・アルコール性脂肪肝(AFL)の症状
脂肪肝は、肝臓に脂肪が異常なほど(肝細胞の30%以上) 蓄積されてしまっている状態のことを指します。
ヒトの肝臓がフォアグラのような状態になっていると考えればわか りやすいでしょう。
脂肪肝は可逆的(原因を除外すれば元に戻ること)な病態のため、 「様々な疾病の前駆状態」に分類されます。
そのため、飲酒をやめれば脂肪肝は元に戻ります。
しかし、脂肪肝を放っておくとその後で肝線維症(全体の30~4 0%)やアルコール性肝炎(全体の10~20%)に進行し、
やがて肝硬変や肝がんなどの重い病気を引き起こすリスクがぐっと 高くなります。
原因は主に暴飲暴食などによるエネルギー・糖分・脂肪・ アルコールの過剰摂取で、 生活習慣病のひとつとも言われています。
一方、過激なダイエットが原因となる場合もあります。
アルコール性脂肪肝は症状がほとんどないため、 健康診断などで初めて気づいたという方もいます。
また、 肥満気味の方や糖尿病を患っている方は特に脂肪肝になりやすいの で注意が必要です。
2・アルコール性肝炎(AH)の症状
飲酒が原因となって起こるアルコール性肝炎を「AH」 と呼びます。
アルコール性肝炎は、 アルコールの過剰摂取によって肝臓が炎症を起こしている状態で、
肝細胞の急速な腫大(腫れあがって大きくなること)と壊死・ 肝細胞の線維化による肝機能障害を引き起こし、
肝線維症から肝硬変の前段階ともなりうる病気です。
脂肪肝になっている方がそれでも大量飲酒を続けると、約10~2 0%の方がアルコール性肝炎を引き起こすと言われています。
アルコール性肝炎の症状は、多くの場合食欲不振・倦怠感・ 発熱などが見られます。
また、右上腹部の鈍痛や黄疸などもあらわれることがあります。
悪化すると腹水(腹腔内に水がたまること) やむくみも出てきます。
「重症アルコール性肝炎」 というアルコール性肝炎の重症型もあります。
これはたとえ禁酒をしても100日以内の生存率が約50% という非常に重い病気です。
3・アルコール性肝硬変の症状
アルコール性肝硬変はアルコールが原因となって起こる病気の最終 段階と言えるでしょう。
日本酒で約5合を毎日20年以上(女性の場合は12~13年) 飲み続けた場合、
アルコール性肝線維症を経て約10~30% の方が肝硬変に至ります。
肝硬変の症状は腹水・黄疸を中心として、 ひどくなると吐血をしたり昏睡状態に陥ったりすることもあります 。
4・肝がんの症状
肝がんの原因の7割前後は肝炎ウイルス(B型・C型)ですが、
飲酒が肝硬変を引き起こし、 肝硬変が肝がんへ進行するケースも最近は増えているため、
肝がんはアルコール性肝障害を患った患者さんが決して無視できな い病気です。
上記のように1の場合、肥満が大きな影響を及ぼしています。
藤樹の宿で適食アドバイスを受け、 減量と少食に移行していきましょう。