22年前のことですが、宿便を取らないと心も体も折れてしまうので、
とにかく滞在させてくださいと夫が妻を高級外車に乗せて来会されました。
期間は1年以内という条件で、これほど長期にお預かりしたのは後にも先にも始めてでした。
「とにかく子供2人は自分が面倒見るので、なんとか妻の鬱がよくなり、宿便も出して、
生活習慣病にならないようにと願っていますので預かってください」ということでした。
本人も宿便が出るまでは家に帰らないからということなので、引き受けさせていただきました。
当時、酵素ジュース断食か水断食しかしていなかったので、やせ形体系のため、到底、無理と判断し、
酵素ジュース断食と普通食を1ヶ月単位で繰り返し、ようやく10ヶ月目に念願の宿便がでました。
やはり10ヶ月まで継続させることは大変なことでした。
子供を置いてきているために帰りたいという強い要求もありましたので、何度もカウンセリングしたりして支えてきました。
そして10ヶ月間でめでたく宿便の除去となりました。
鬱も相当、改善され、感謝に満たされて、喜び感謝して帰られました。
しかし、3年後、夫婦、子育てなどのストレスが原因で、今度は過食症となり、鬱も再発してしまいました。
それから3年後、不正出血があったので検査したら、子宮がん(卵巣)の初期ということでした。
相談があった時にいろんな理由で反対をしたのですが、
ところが残念なことなのですが、3年後、今度は腸に転移してしまいました。
子宮がんの場合、転移はすでに末期か治ることはまず不可能とされています。
22年前の出来事でしたが、この方のように宿便を除去すれば、
まずはがんにならないという保証はありませんでした。
がんを誘発した最大の理由は過食とストレスでした。
しかも食生活が相当、乱れてしまい、それが加速し、ついに子宮がんとなってしまいました。
再び、連絡がありましたのでまず、断食に来ていただき、
ニンジンジュースを徹底的に飲むゲルソン療法を紹介し、実践していただきましたところ、
自宅に帰ってから本当に忠実に実行されました。
本人はゲルソン療法でがん細胞が小さくなったかもしれないということで私も安心していました。
その後、時々、メールで連絡があったものの、元気だということでしたが、
数年後、突然の再々発で再び入院し、召されてしまいました。
このようにことがんに関しては、様々な療法で完治したり、改善するという保証は何もありません。
宿便を出した後、食生活さえ整えていたならばがんにならなかったのではないかと思ったりしましたが、こればかりは分かりません。
確かにがん細胞は小さくなったかもしれませんし、再発後も数年、元気でした。
私たちもがんを侮れないということを思い知らされた忘れがたいケースでした。