麦飯は大麦を精白したもので、大麦や裸麦などの麦だけで、米と混ぜて炊いたご飯。
麦ご飯(むぎごはん)、バクシャリともいわれています。
日本人の古来よりの主食は玄米でしたが、実際には麦飯の他、かて飯といって
白米だけの飯は江戸、東京など都市部以外では祝祭時のみ食べられていました。
明治・大正時代までは麦のみのバクメシもありましたが、米2麦8の混合率で戦後、米7麦3へとその比率が逆転しています。
現在は貧困から麦を食べることまずありません。むしろ健康食品や健康食レストランで
麦とろご飯などよい食味を持つ献立があります。
麦飯は米飯とは異なる独特の香りと、やや固めで粘りけの少ない食感をもつています。
調理に際しては米との比率を好みによって調製します。
麦を多くするほど米に由来する飯の粘り気が少なくなり、固い食感となります。
麦は炊き上げるのに米よりも多くの水が必要なため、
麦の量が増えるにしたがって米のみの場合よりも水を多めにします。
大麦は世界的には粗挽きにして粥に炊く、炒ったものを粉にして(はったい粉やツァンパ)
熱湯や茶で練り、発芽させて麦芽とし、
これを乾燥、粉砕してパンの材料や醸造原料とするという利用法が主体です。
米と同様に粒の状態で炊飯する食べ方は、日本以外では朝鮮でみられます。
ヨーロッパでは、大麦のみ、または大麦と米を混ぜてピラフとして炊いたものなどがみられます。
私たちの子供の頃は、麦ごはんばかりでした。
その中にひえと季節の野菜の葉(主に大根)を入れていました。
祖母が大麦を炒る臭いは独特の芳しい臭いで忘れられないおばあちゃんの味でした。
しかし、今は何でも精白してしまい真っ白い麦の抜け殻のようなうどんを好んで食べているのは、
粕を食べているようなものです。
地元の方は、「うどんは白いものだ」と言って食べに来ないそうです。
それまで精白されたうどんが正しいというマインドコントロールされているということです。
精白しない丸麦、押し麦は、ビタミンB1、Eの王様といわれています。
脚気予防、健康維持、神経活動を円滑にしてくれます。
ゆえに脳の活動が活発化します。
また大麦はタンパク質小麦アレルギーの原因物質は
非常によく似た分子構造をしているためアレルギー反応を起こしてしまうことがあります。
小麦アレルギーがある方は、注意をしてください。
今後、藤樹の宿でも玄米アレルギーの方に検討していきたいのが、麦飯です。