日本人には、馴染み深い海藻ですが、一口に海藻と言ってもたくさんの種類があります。
日本は四方を海に囲まれ、100種類以上の海藻を食用としてきました。
昆布で出汁をとったり、ご飯を海苔で巻いたりと
海藻が食文化として定着しているのは世界でも珍しいようです。
いつ頃から日本人は海藻を食すようになったか調べますと歴史は古く、
青森県亀ヶ岡の泥炭遺跡では、
縄文式土器とともにわかめやアマノリ、テングサなどの海藻が発見されていますし、
現存する日本最古の歌集「万葉集」に海藻を「玉藻(たまも)」と表現し詠った短歌や
長歌は100種類以上あると言われています。
さらに時代が進み、江戸時代に入ると経済や流通が発達すると、
地方産の海藻が各地に出回るようになって
一般庶民でも海藻類を利用できるようになってきました。
昆布から出汁をとる料理法が考案されたのも江戸時代だと言われていて、
1600年代に書かれた料理書には21種類の海藻料理が記録されています。
こうした長い年月を経て、海藻を利用する日本の食文化が確立されていったのです。
同音異義語である「海藻」と「海草」。
この違いは何でしょうか。
海藻は「海の藻」と書く通り、海に生える藻の総称で、
昆布、ひじき、もずく、わかめなどがそれにあたります。
繁殖方法は胞子によるもので、根、茎、葉に分かれていないため海草と区別するときは
根と有無を見るとわかりやすいと言われています。
海草は「海の草」と書く通り、
海中に生える種子植物の総称でアマモ、スガモ、ウミヒルモなどがそれにあたります。「海藻」と区別するため、「うみくさ」とも呼ばれます。
海草の繁殖方法は陸上の植物と同様、根、茎、葉が分かれており、
花を咲かせて種子によって繁殖します。
海藻は色素などによって3種類に分けることができます。
1・褐藻類
フコキサンチン(褐藻素)と呼ばれる赤褐色の色素が多く含まれていて、
体の色も、そうした葉緑体の内に含まれる色素の影響によって、
黄色や褐色の体色をしている場合が多いと考えられています。
日本では約400種類が知られ、食品として主に食用とされる種類としては、
昆布類、わかめ、ひじき、もずく類があります。
褐藻類にだけ存在する「フコキサンチン」には、
主にメタボリックシンドロームの原因となる白色脂肪細胞(体脂肪)を
エネルギーに変えて放出する働きがあります。