玄米にあう発酵食に沢庵(たくあん)漬があります。
たくあんに含まれるビタミンB1は、ご飯の糖質を代謝してエネルギーに変えるという
ダイエット中の方にはうれしい効果があり、
ビタミンCなどの栄養素を豊富に含む栄養面的に見てもバランスの良い食品です。
また、たくあんは歯ごたえがあるので、よく噛む必要があり、
自然と噛む回数が増えるのも健康に良いポイントです。
ただ食べる量は1日2、3枚程度が目安です。
それ以上食べると塩分の取りすぎで陽性過多になり、
食欲が逆に増してしまいますので要注意です。
また、市販されている「黄色いきれいな色のたくあん」には、
食品添加物がたくさん入っているので、買う時は、
添加物が入っていないものを選んでください。
漬物は「食品添加物が多量に使われている食品ベスト3」に入っています。
発酵食の代表であります沢庵漬けの素晴らしさは、
野菜の周りに付着している乳酸菌など人間の健康に有効な菌のパワーです。
私たちの腸内環境を善玉菌優位にしてくれるところにあります。
なぜ沢庵漬というのか様々な説があります。
まず第一は、江戸時代に臨済宗の僧・沢庵宗彭が考案したとあります。
沢庵宗彭が創建した東海寺では、
「初めは名も無い漬物だったが、ある時徳川家光がここを訪れた際に供したところ、
たいそう気に入り、『名前がないのであれば、沢庵漬けと呼ぶべし』と言った」という説。
また別の説によると、元々は「混じり気のないもの」という意味の「じゃくあん漬け」、
あるいは、「貯え漬け(たくわえづけ)」が転じたとも言われています。
また第三の説は、比叡山には元三大師こと慈恵大師良源が
平安時代に考案したとされる「定心房」と呼ばれる漬物が伝えられています。
これを沢庵漬けの始祖というのです。
これは丸干しした大根を塩と藁で重ね漬けにしたもので
現在「定心房たくあん」として販売されていますが、
一般的な糠漬けの沢庵です。伝統的な製法では、
手で曲げられる程度に大根を数日間日干しして、このしなびた大根を、
容器に入れて米糠と塩で1~数か月漬けます。
風味付けの昆布や唐辛子、柿の皮などを加えます。
大根を日干し、塩を加えて漬けて水分を減らす事によって大根本来の味が濃縮され、
塩味が加わり、米糠の中に存在する麹がデンプンを分解して
生ずる糖分によって甘味が増すとともに、徐々に黄褐色へ染まっていきます。
ただしスーパーなどに出回っています大半の沢庵漬けは、
日干し大根の代わりに塩や糖液に漬けて水分を除いた塩押し大根、
糖絞り大根を使用することが多く、伝統的な沢庵とは食感や風味が大きく異なります。
甘味料やうま味調味料などを配合した調味液で調味したり、
人工着色料で色づけしたりといった加工もされています。
消費者の嗜好がより甘く低塩分な漬物を求めるようになったことや
大量生産、コスト削減の為に製造工程を省いたためですが、
伝統の沢庵漬は、三浦半島、伊勢地方、徳島県で生産されており、名物となっています。