天下を取った徳川家康の顔だけではなく、
幕末の坂本竜馬、西郷隆盛、大久保利通の写真が残されていますが、
幕末の改革を担った維新の主役たちは、
極めて高い判断力、洞察力、決断力がありました。
そしてその顔は家康のように顎がしっかり発達し、立派な顔をしています。
おそらく歯ごたえのあるものをしっかりよく噛んで食べていたのです。
まさに数々の難局に対して「歯を食いしばって」耐え抜き、日本を変革したのです。
しかし、現代日本はどうでしょうか。
西欧食のゆえに体は大きくなりましたが、
噛まない食事で顔のゆがみで悩む人が多くなっているようです。
それは噛まないので顎とその周囲の筋肉が発達せず、表情もあまりにく、
頬もゆるみ顔が歪むわけです。特にそれが女性に多く、
整形外科へ通う人が多いようです。
歯並びの矯正、整形だけではなく、更に深刻なのは、
噛まないがゆえに体の健康にも大きな絵影響を及ぼしています。
まず噛む筋肉は、首、肩の筋肉と連動しています。
顎を支える筋肉が発達せず、バランスが崩れると肩こり、
眼精疲労、偏頭痛が起こり、内臓にも大きな打撃を与えていきますので、
噛まないことは、健康阻害の大きな原因となるのです。
また噛まないと虫歯菌が増殖します。
歯が食べ物の残渣というカスで覆われて付着し、
それが温床となってこれらの菌が繁殖します。
軟らかい食べ物のゆえに噛まなくなると唾液があまり出ません。
唾液の分泌は、こうした菌を押し流してくれるのです。
また、噛むことで口腔内の菌の繁殖を抑え、歯肉のマッサージ効果もあり、
歯の健康、口腔内の健康を維持しています。
しかし、これは早食いで噛まないと真逆のことが起こります。
唾液の多い子供は元気な子供のしるしだと言われました。
唾液には様々な有益な酵素、栄養分が含まれています。
カルシウム、リンもそうです。
噛む子は丈夫になるのは、この成分のおかげです。
分泌される唾液が多いと細菌が砂糖からつくる乳酸菌を薄めてくれます。
乳酸菌は歯の表面を溶かしていきますので、歯を元気な状態に戻してくれます。
唾液は歯の表面が元の状態に戻ろうとするのを防いで、
減りかかったものを復元してくれる働きが唾液にあるのです。
チューインガムで実験をしたら、よく噛んだ人は、
そうでない人の4倍も唾液が出たそうです。
しかし、今や噛まない食生活となってしまい、日本咀嚼学会のなどの研究では、
この噛まない食習慣のゆえにがんが増加しているというのです。
よく噛まないとがんになる、これは深刻な問題なのです。
現在、ガンは死因のトップです。
噛むだけでガンを防げるのであれば咀嚼はかなり重要なことになります。