空腹を体験しないと腸の働きが活発化しません。
毎朝、便がスムーズに出るという方でも実際は、快便でもなく、
ところてん式に押し出されただけのことで快便でも何でもないのです。
私達の腸の蠕動運動が鈍くなり、腸が麻痺してしまっています。
そして腸の中に便が蓄積されて腐敗し、腸に滞留し、宿便と化していきます。
こうした宿便も空腹時を継続的にでも断続的にでもつくらないと出すことができません。
空腹状態にしますと腸の蠕動運動を活発化するホルモンがでるのです。
それをモチリンといいます。
1971年、カナダのブラウン博士が発見したもので、
ギリシャ語の「Mitil」(運動と言う意味)から命名されたものです。
このホルモンは、腸管内に残っているものをすべて排泄するホルモンなのです。
消化管ホルモンの大半は、食べ物を良く消化するもので食後に分泌されるのですが、
モチリンは空腹時に分泌されるものなのです。
これは食べたものをよく消化するものではなく、
食物残渣をすばやく排泄するためのものなのです。
腹が減ってグーグーとなるのは、腸の働きが正常かち活発化しているとご理解ください。
ほんとうにお腹がグーグーなった時にモチリンが出ているのかを
調査をされた学者がおられますが、
ほんとうにたくさんのモチリンがでたということです。
ですから朝、起きてから何も食べないでおきますと蠕動運動が活発化しますので、
食物残渣をすべて出し切るまで食べない方がいいのです。
しかし、グーグーなるのでやはり腹が減った証拠だと食べてしまいますと
モチリンも分泌されていませんから、
先の食物残渣は残ったままでその上にまた食物が入ってくるのです。
朝食を食べなければならないと言う先入観は持たないようにしていただきたいのです。
胃の大掃除は、
空腹時の強い収縮活動によってのみ可能だということを知ってくいますと
お腹がグーグーなることを喜びに変えられます。
そして免疫力も高まり、健康に大きく寄与します。
空腹時を継続することはとてもカラダに良いことなのです。
胃から十二指腸への出口であります幽門輪を通過できる食べ物は通常、
2ミリ以下だといわれます。
それ以上のものは通過できないのです。
ですから食べ物はよく噛んで食べないといけない理由なのです。
しかし、歯が悪かったり誤って大きなものを食べたりするとそれでは
2ミリ以上なので通過しないのではないかと思われますが、
空腹時に出してくれます。
しかし、空腹時を起さず何度も食べていますと胃は空になりませんので、
空腹感は起こらず、消化不良となります。
そして胃がもたれたり胃炎、胃潰瘍になるのです。