日本は世界でも類を見ない速さで高齢化社会に突入しています。
65歳以上の高齢者が総人口の14%を超えた社会を高齢社会と定めています。
現在の日本の高齢化率は27.3%で、高齢者の比重が高くなっています。
65歳~74歳の前期高齢者は総人口に対して13.9%、
75歳以上の後期高齢者は総人口に対して13.3%の割合を占めています。
2065年には、約2.6人に1人が65歳以上、約4人に1人が75歳以上と推計されており、
平均寿命も年々高くなる推計がとられています。
少子化で総人口が減少する中で、高齢化率は上昇しています。
この高齢社会は先進国に共通した問題となっており、
日本は世界で最も高い高齢化率なのです。
この高齢化の速度について、高齢化率が7%を超えてから
その倍の14%に達するまでの所要年数(倍化年数)によって比較すると、
フランスが115年、スウェーデンが85年、比較的短いドイツが40年、イギリスが47年
であるのに対し、日本は、24年です。
1970年に7%を超えると、その24年後の1994年には1
4%と世界に例をみない速度で進行しています。
日本の平均寿命がとても長く、男女別にみると3年間の統計では、
男性80.75年、女性86.99年となっており、75歳以上の高齢者の人口の割合が高まって、
経済成長や経済活力の鈍化も懸念されていますし、
社会保障給付費などの福祉費用の負担が増えるなどが
高齢化社会問題といわれています。
確かに高齢化率が高まるにつれ、身体が弱っていく高齢者が増えることで、
社会保障費の増大でそのような懸念もありますが、そうでない面もあります。
日本老年学会などが1990年代以降の日本国内の高齢者の健康に関する研究・調査した結果、
10年~20年前の高齢者よりも約5~10歳若返っているというデータがでています。
特に65歳~75歳は心身ともに健康で活発な社会活動が可能な人が多く、
インターネットの発達に伴い、自宅にいながら働ける仕事を行ったり、
SNSなどを介して情報を収集し、積極的にNPOやボランティアに参加している層がかなり多いのです。
現代の高齢者は健康な方が多く、経験や知識が豊富で、
若者世代に比べて時間的にも経済的にもゆとりがあります。
社会制度、高齢者のこれまでの知識や経験を活かせる無理のない就労、地域との関わり、
若者世代との交流などまだまだ見直す点は山積しています。
すでに東京都では、このような元気な高齢者をジェロントロジー講座、資格制度まで設けていますし、
東京大学でも専門講座がありますし、
最近は多摩大学学長の寺島実郎さんが、「ジェロントロジー宣言」という新書を書かれていますが、
今、人生100年時代を見据えた新たな社会形成が必要となっています。
その鍵を握るのが健康です。
最近、藤樹の宿に来会される方で60歳から70歳台の方が多くなってきましたのは、
まさに人生100年時代を見据えた人生設計の中に
ファスティングがあることを認識される方が増加しているからでしょう。
このジェロントロジーへのカウンセリング知識を
しっかり勉強して対応していきたいと思っています。