このように国家の屋台骨を揺るがすような医療費増大の問題は、
先進国のどこでも起こっています。
たとえば、アメリカでは世界一薬価が高く、国民皆保険も未導入のため、
病気や怪我で莫大な医療費がかかって、自己破産が相次いでいます。
また反対に、医療費が無料なので、誰でも自由に病院にかかることのできるイギリスや、
自己負担が全額還付されるフランスでも、医療費の莫大な増加に苦しんでいます。
原因どこでも少子高齢化です。
移民が多く経済発展が順調なアメリカを除いて、
先進国はどこも少子高齢化の局面で苦しんでいますし、
北欧は福祉国家が多いため、国家財政に占める医療費の負担が大きいのです。
日本は世界トップクラスの平均寿命ですが、
若々しい高齢者が増え、65歳以上は準高齢者、
75歳以上を高齢者と呼ぶべきだといわれていますし、
それにともなって、病院にかからず自分の力で生活できる健康寿命も伸びています。
高齢期になると医療費はかかるものですが、
健康寿命を終えて平均寿命が来るまでの期間に集中して、
医療費がかかっているのが大半ではないでしょうか。
それが累積して、国の莫大な国民医療費につながっています。
現在、医療費の約6割は、高齢者医療です。
平均寿命が100歳になることは考えられませんが、
逆に短くなることもないでしょうから、日本の高齢者は長寿であると同時に、
医療費が非常にかかることは必然です。
ではこのような国家を揺るがすような増え続ける国民医療費を
どうして抑制できるのでしょうか。
まずは、健康寿命をできる限り伸ばして予防医療を充実させ、
なるべく病気にかからないような体づくりをするしかありません。
歯科の分野では予防歯科が相当、進んでおり、
虫歯にかかる前の歯みがきや、定期的な口内メンテナンスを重視するよう、
歯医者さん主導で啓蒙しています。
それによって医療費が抑えられ、患者はいつまでも健康な歯を保つことができ、
予防医学の最先端、そのお手本となっています。
大きな病気にかからないためには、健康診断なども欠かせませんが、
私は定期的なファスティングは健康診断よりも有効性があると思います。
定期的なファスティングをして、デトックスをし、宿便を除去し、
蓄積しないようにしていくことが定着すれば、
甲田光雄医師がいわれるように日本の医療費は半減するどころか、
1/3になる可能性もあります。定期的なファスティングをすることができるには、
そのような倫理、宗教規範が必要で、
それがない限り、日本はいつまでも医療費を抑制することはできないでしょう。