「腹八分医者いらず」で、「腹六分で老いを忘れる」といわれます。
ある少食を実行しておられる大学教授が、このように語っておられます。
「私は80歳を超えていますが、腹六分をずっと実行していますので、
極めて体調が良い」というのです。
また、アメリカのある大学の教授は、食事の量を半分に減らした時と、
腹いっぱい食べた時の、体内で発生する活性酸素の量がどれだけ違うのか調べたところ、
半減すると大幅に減るようです。
この活性酸素とは「ほかの物質を酸化させる力が非常に強い酸素」のことをいいます。
私たちは呼吸によって大量の酸素を体内に取り入れていますが、
そのうちの約2%が活性酸素になるといわれています。
活性酸素は殺菌力が強く、体内では細菌やウイルスを撃退する役目をしていますが、
活性酸素が増えすぎると、正常な細胞や遺伝子をも攻撃(酸化)してしまうのです。
活性酸素がもたらす病気は、ざっとみても
動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、がん、糖尿病、胃潰瘍、肺炎、脳血管性痴呆症、
アルツハイマー型痴呆症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、白内障、未熟児網膜症などです。
当然、私たちの体では、活性酸素から身を守るため、
抗酸化酵素などによる防御システムが備わっているのですが、
中高年齢になりますとその防御力が弱まっていき、
反対に活性酸素の働きが強まって、体のあちらこちらに害(酸化)が及んできます。
その結果、風邪をひきやすくなった、肌荒れやしみが目立つとか、
疲れがとれないといった症状がみられますので、そうなると要注意です。
活性酸素を減らす生活術を早く身につけないといけないのです。
活性酸を産みだす生活習慣は
1・タバコ
タバコの煙には活性酸素や、その発生を助長する有害物質が数多く含まれています。
血液中に入ると、動脈硬化の原因となる酸化LDLをつくる原因ともなります。
2・アルコール
肝臓がアルコールを分解するときにも、活性酸素が発生します。
飲む量の多い人、アルコールに弱い人は、とくに注意が必要です。
3・激しい運動
激しい運動をすると呼吸量が急増し、活性酸素の発生を促します。
反対にウォーキングや水中歩行程度の軽めの運動は、抗酸化酵素の働きを高め、
体の酸化を抑えます。
4・ストレス
ストレスを受けると一時的に血液の流れが悪くなり、
これが元に戻るときに活性酸素が発生します。これを繰り返すことで、
酸化が促進されていきます。
5・紫外線
紫外線に当たると、皮膚細胞でも活性酸素が生成され、シミやシワの原因となります。
男性でも外出時は帽子をかぶる、日光に長時間当たらないなどの紫外線対策が必要です。