「未来年表2」では、「ライフプランを描け」とありましたが、
まず、女性のみの提案は片手落ちです。
果たして客観的なライフプランを自ら描くことが可能でしょうか。
できないからこそアメリカから始まったファイナンシャル・プランナー(FP)が登場したのです。
しかし、私は「未来年表2」で提示された晩婚にともない出産年齢の高齢化で少子化、
そして下手をすれば50歳台で子育てとなり、
そこに親の介護がかかり、育児と介護のダブル介護となることは
確かにそれを想定したリスクマネジメントが必要です。
2016年の統計でダブルケアの男性は
8万5千人、女性は16万7千人で40台が一番多いということでした。
今後、超高齢化社会に備えての資産蓄積、運用など備えは確かに必要です。
それから高齢化で女性が長生き(統計上)という視点から、
女性は年金受給開始年齢を繰り下げた方が得策
という提案を著者は書いておられます。
つまり70歳から受給開始の選択です。
そして女性の起業を勧めておられます。
統計によれば自分らしさを求め、起業する方が増加しているよう自己資金の範囲内で
堅実に開始する方が65歳以上でも多くなっているようです。
内閣府の調査では、女性起業の多い年齢層は、
35歳から39歳が12%。30歳から34歳が、105、
そして三番目に65歳以上が9%と続き手元資金で生活関連サービスの開始がトップといいます。
大きなリスクは負いませんが、収入は月収10万円以下が26%、
20万円以下が23%と20万円以下が半数ですが、
老後資金の蓄え、年金プラスアルファとして考えれば
この金額でもいいのではないか、という指摘もある程度、納得します。
しかし、ここで忘れられているのが、
妻に先立たれた夫は、女性とは違い、大変なことになっているのです。
『世界一孤独な日本のオジサン』(角川新書2/12発行)で明らかになったのですが、
まさに世界最悪の妻に先立たれた夫たちのみじめさです。
日本のシニア世代は、高倉健の影響が強く(私は大嫌いですが)、
孤独の美化する文化がはびこっています。
「孤独」が美化されていますが、この孤独は、大変なリスクを伴うのです。
世界最悪の妻に先立たれた夫、または生涯独身のみじめな男たちの実態です。
この本で明らかになった現実についてはあらためて書きます。
肥満よりも、大気汚染よりも、環境汚染よりも、
食品添加物よりもあなたの寿命を縮めるものが「孤独」だと鋭い問題を提起しています。
孤独のリスクは、1日タバコ15本以上を吸うことに匹敵し、
肥満の2倍、心疾患リスクを30%上げ、20%早いペースで認知へと進み、
アルツハイマーリスクは2倍というのです。