論文の主執筆者、ハワイ大のカミーロ・モラ(Camilo Mora)教授は
「1つ、もしくは2~3の気象災害のみに注目すると、
ほかの気象災害がもたらす影響が覆い隠され、
気候変動が人類に及ぼす影響の評価が不完全なものになってしまう恐れがある」と語る。
複数の気象災害が一度に発生するリスクは地域によって異なり、
人類が速やかに温室効果ガスを削減できるかどうかによっても変わってくる。
人類が気温上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑えることができれば、
今世紀末にニューヨーク市が猛烈な暴風雨といった危険な気象現象に見舞われるのは
1年に1回程度で済むだろう。
しかし温室効果ガス排出が現状のペースで進めば、
ニューヨーク市は同時に最大で4つ、ロサンゼルスや豪シドニーは3つ、
メキシコの首都メキシコ市は4つ、ブラジルの大西洋沿岸では
5つの危険な気象現象に見舞われる恐れがある。
どの予測シナリオでも、最も大きな被害を受けるのは熱帯沿岸地域だ。
研究チームは、同時多発的な気象災害リスクを調べるため、
数千件の査読論文からデータを集め、
火災、洪水、雨量、海面上昇、土地利用の変化、
海洋の酸性化、暴風雨、温暖化、干ばつ、淡水供給への気候変動の影響を分析。
地球温暖化の「副産物」が
人の健康、食料、水の利用、経済、社会基盤、安全保障の6分野に与える影響を調べた。
ジョナサン・パッツ(Jonathan Patz)教授は
「熱波や猛烈な暴風雨といった気候変動の直接的な脅威だけを注視していると、
より大きな脅威の不意打ちを受けることは避けられないだろう。
脅威が組み合わさることで社会への影響はより大きいものになり得る」と警告する。
論文によれば、極地方に近い温帯に位置する豪タスマニア(Tasmania)や
カナダやロシアの一部など、とりわけグリーンランドは
気候変動による壊滅的な被害を免れそうだという。
かなり長文の論文を引用しましたが、このままでは地球温暖化で生き残れるのは、
オーストラリアのタスマニア、カナダ、ロシアの一部とグリーンランドしかない
ということです。
最近、日本以外に移住したいという方が何人もおられますが、
真剣に地球温暖化で生き残れる地域への移住を考えた方がよさそうです。
地球環境破壊は、温暖化以外にも数えたらきりがありません。