環境ホルモンはこれまで述べてきたように「人と生物の成長に異常を引き起こす元凶」です。
現在までのところ、世界で確認されている環境ホルモン(内分泌かく乱物質)は
70種類といわれています。
そのうちの6割が農薬です。環境ホルモンは、
子供の性早熟を引き起こしています。
中国では女児の初潮は20年前には平均14歳前後が、
今では10歳前後に早まっているといいます。
また、4歳の少女の乳房が成人並みに成熟したり、
5歳で初潮を迎えたりする現象が全国各地で普遍的に発生しているようです。
性早熟は身体の早期成長をもたらしその半数以上は最終的な身長が
150cmに満たないのです。
大人が日常の食事で少量の残留農薬を体内に取り入れても、
人間の身体はそれを分解可能ですから、
突然に急性中毒を引き起こすことはありません。
しかし、残留農薬を含む農産物を十分に洗わずに長期間食用すれば、
必然的に健康に重大な危険を及ぼすことになります。
その主なものは、免疫力の低下、がんの発生、肝硬変や肝腫大などの肝臓病変、
胃腸疾病などが指摘されています。
中国では有名なポータブルサイトに「農薬の中に浸る中国人」という記事があります。
中国では農作物に農薬が過剰に使われていることは
マスコミでもたびたび取り上げられていますが、この記事では、
中国の国民は、収穫後の農産物に含まれる残留農薬による健康被害を懸念している内容でした。
その内容は・・・各種病虫害を予防・駆除し、農作物の収穫量を増大させるため、
農薬は農業生産活動の中で広範囲に応用されている。
多くの人々の生活は田畑から遠く離れているが、
農薬はすでに各種の方法を通じてひそかに我々の日常生活の中に浸透している。
農薬をその効果に基づいて区分けすると、除草剤、殺虫剤、殺鼠剤、殺菌剤などに分類される。
全世界の農業生産で毎年必要とされる農薬量は350万トンであり、
そのうち、中国、米国、アルゼンチンの3国で70%を占め、
中国だけで世界の農薬使用総量の半分を占めている。
2014年における中国の農薬使用量は180.69万トンであった。
米国は2.2kg、フランスは2.9kg、英国は3.0kgであったのに対して、
中国は10.3kgで、米国の4.7倍だった。
過去20年間に、米国とドイツの農薬使用量は比較的安定しているが、
英国、フランス、日本、イタリア、ベトナムの各国は農薬使用量をそれぞれ44%、
38%、32%、26%、24%削減した。
これに対して、中国の農薬使用量は過去20年間に136.1%増加した。
中国の農薬使用量は、1991年には76.53万トンに過ぎなかったが、
1999年には132.16万トンとなり、2014年には180.69万トンとなった。
また、中国は農薬の大部分を自給自足しており、
現在国内には2000社以上の農薬生産企業がある。
化学農薬の有効成分である“原約(原体)”の生産量は、
1998年に55.9万トンであったものが、2014年には374.4万トンになり、
2015年には374万トンになった。
これから分かるように、中国は世界最大の農薬製造商であり、
同時に輸出商でもある。また、中国は毎年少量の農薬を輸入しているが、
その量は2014年が9.25万トン、2015年が9万トンであった。