世界の中で特異な共産主義的な経済国家として急成長する中国ですが、
急激な都市化が進み、中産階級が増加
(2030年には中国の総人口の75%ほどが中流層の予測)し、
政治的に欧米並みの民主化を求める動きが活発になることも予想されます。
かつての弾圧で凌げることは不可能でしょう。
歴史的に見ますと革命というもの、社会が発展する時期に起きるといわれています。
社会が激変すると民衆は支配層への期待が激変するからです。
世界の総人口の増加は、少なくとも今世紀いっぱいは続き、
先進国では更に少子高齢化も進んでいきます。
例えば中国では、
生産年齢人口が既に2011年に9億2500万人でピークに達したとみられ、
2050年には7億人と25%近い減少が予測されています。
これは中国だけではなく、少子化と平均寿命の伸長していくのは世界的な傾向です。
60歳以上の高齢者は世界で年間3%のペースで増加していわれています。
現在、60歳以上が総人口に占める割合は
ヨーロッパで25%、北米で22%、アジアでは12%ですが、
2050年には、ヨーロッパで35%、北米で28%、アジア24%にまで増えると
見込まれています。
こうした世界的な高齢化は大きな影響をもたらすでしょう。
特に、日本には世界のいかなる国にもまして
深刻な影響が出ることは間違いありません。
現在、高齢者1人に対する現役世代の数はアジア平均で7.4、北米で3.8ですが、
日本は2.1と世界最低レベル。
現在と同じ水準の社会保障を維持しようと思えば、
現役世代への増税またはサービスの縮小・削減か大幅な効率化を選択するしかありません。
しかし政策をどう組み合わせようと、世界的な政治問題になり、
限られた資源の奪い合いになります。
一方、中東などの地域では政府が若年層の急増への対応に迫られています。
中東では人口の60%が25歳未満。
若年層の急増と紛争の発生には明らかな相関関係が見られ、
世界各地の紛争の約8割は、
人口の中央値が25歳未満の社会で起きているといわれています。
急増する生産年齢の人々に対する教育と雇用の提供などが追い付かないからです。
そして発展途上国では急激な人口増加が(以前より低下したとはいわれますが)
依然として出生率は高いのです。
そこで持ち上がるのが食糧や居住、雇用問題で、
人口が減少する先進国と増え続ける途上国の間では人の移動が増えます。
これにどう対処するかは、人口動態や社会の変化を考える上で非常に重要となります。
当然、世界的にそうなれば移民が増加しています。
移民は人口増加に関わる巨大潮流の1つであり、
今後、20~40年間に世界に大きな変化をもたらします。