日本は宗教としての食事の戒律はありませんが、
伝統としての和食が5年前に日本人の伝統的な食文化」が
ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
農林水産省のホームページから引用します。
南北に長く、四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、
そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。
このような「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた
「食」に関する「習わし」を、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、
ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
「和食」の4つの特徴
(1)多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、
各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。
また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達しています。
(2)健康的な食生活を支える栄養バランス
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは
理想的な栄養バランスと言われています。
また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、
日本人の長寿や肥満防止に役立っています。
(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴のひとつです。
季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、
季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。
(4)正月などの年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。
自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、
家族や地域の絆を深めてきました。
和食を無形文化遺産とすることで外国人に対してのアピールというのも
登録された背景の一つかもしれませんが、
一方、遺産として残そうという動きが起こったのは、
和食という食文化を日本人が忘れ始めているのではないか
という危機感があったからです。
食糧自給率の低下、食品廃棄率が世界一、気候変動による季節間の温度差の低下、
年中行事への興味の希薄化等、日本が古代から培ってきた食文化を我々
現代人が捨ててきたということからユネスコに申請したようです。
ここで認定された日本食で果たして、日本の戒律となるのでしょうか。