3・玄米の栄養
玄米はビタミン、ミネラル・食物繊維などを豊富に含み、とりわけビタミンB1が白米よりも多く含まれている。
現代のようにおかずをふんだんに摂取する食生活では、
栄養過多という問題はあるものの肉や緑黄色野菜からビタミンを十分に摂取できる。
かつて白米飯、漬物、味噌汁だけという食事が多かった時代の日本は、
白米食はビタミンB不足により脚気などの問題をもたらしていた。
農民の多くは、精白度が低い米(今日における半搗き米など糠層を完全に除去していないもの)を利用し、
さらには雑穀や芋、野菜を混ぜたかて飯や麦飯を食べていたため、
少なくとも農村部では脚気が蔓延する環境にはなかった。
しかし、これらを炊くには白米よりも時間がかかり多くの燃料を必要とするため、
薪を買わなければならない都市生活者にとっては、
糠層を完全に取り去った白米の方が都合が良く、食味も喜ばれたことから、
江戸時代中期には江戸や大坂などの大都市では白米飯を常食する習慣が普及した。
これにより脚気が流行し、「江戸患い」「大坂腫れ」と呼ばれた。明治時代になり、
江戸(東京)や大阪ばかりでなく、
地方の都市部の富裕層や俸給生活者にも白米食の習慣が広がるに至って、
脚気は全国的な問題となり昭和初期まで続いた。
昭和初期以降、医師の二木謙三が玄米を完全食と呼び、
健康のために玄米食を普及することに努めた。
1943年頃には大日本玄米連盟があり、1万人以上が加盟していた。
1942年以降、大政翼賛会で国民を玄米に復帰させるとして議題となり、
時の首相であった東條英機が玄米を常食していることも伝わり世論は玄米に傾いた。
伝染病研究所の研究者らが玄米食について研究し、
当時の『医界週報』での報告には、炊飯に要する燃料は増加したが、
玄米食によって小食になった上、下痢も減り、仕事の耐久力が上がり、
医療費は1⁄17に減った、と伝えたので、栄養学者も認めざるを得なくなったとある。
【解説】
この最後の解説は参考になります。玄米食で少食になったことです。
このことは私たちが藤樹の宿で採用している最も大きな理由なのです。
少食に移行するには、玄米食を基本にしないとできません。
少食だからと白米のおにぎり1個とか白い食パン、素うどん、カップラーメンでは絶対にダメです。
これならコンビニ食でダイエットできるのではないかということになり、
結果的には食べ過ぎとなるからです。
玄米をおいて少食はありえません。