骨形成を促すうえで、カルシウムは知られたところですが、
実はマグネシウムはカルシウムの作用を補強していますので大変、重要な微量要素です。
骨の形成には、カルシウムがリン酸カルシウムとなって骨に沈着する必要があります。
マグネシウムには、この沈着作用を調節する働きがあるのです。
また、マグネシウムは、抗ストレス・ミネラルともよばれています。
神経の興奮を鎮める作用や、穏やかな精神状態を維持する働きをします。
精製加工されていない穀物の他、鰯や鯖などの青魚、大豆や海苔、種実類にマグネシウムは多く含まれています。
昔ながらの日本の食事は、マグネシウムを摂る理想的な食事でもあったのです。
特にマグネシウムをたくさん含むものとして群を抜いているのが、玄米です。
他には鰯(いわし) ・鯖(さば) ・大豆 ・ゴマ ・ひじき ・ワカメ ・干しえび などです。
このマグネシウムについて「健康長寿ネット」では詳細な解説がありますので紹介します。
1・マグネシウムとは
マグネシウムとは生体内で約50~60%がリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着しています。
残りの約40%は筋肉や脳、神経に存在します。
カリウムに次いで細胞内液に多くしますが、細胞外液には1%未満しか存在しません。
生体内では、多くの酵素を活性化して生命維持に必要なさまざまな代謝に関与しています。
2・マグネシウムの吸収と働き
食品として摂取したマグネシウムの吸収は主に小腸で行われ、腎臓で排泄されます。
腸管での吸収はビタミンDによって促進され、過剰のカルシウムやリンによって抑制されます。
摂取量が不足すると、腎臓でのマグネシウムの再吸収が促進されたり、
骨からマグネシウムが放出されたりすることで、マグネシウムの血中の濃度を一定に保っています。
マグネシウムは補酵素としてまたは活性中心として300種類以上の酵素の働きを助けていています。
エネルギー産生機構に深く関わっており、栄養素の合成・分解過程のほか、
遺伝情報の発現や神経伝達などにも関与しています。
また、カルシウムと拮抗して筋収縮を制御したり、血管を拡張させて血圧を下げたり、
血小板の凝集を抑え血栓を作りにくくしたりする作用もあります。
3・マグネシウムの1日の摂取基準量
日本人の食事摂取基準(2015年版)では、
1日のマグネシウムの推奨量を18~29歳男性では340mg、30~49歳
男性では370mg、50~69歳男性では350mg、70歳以上の男性では320mgで、
18~29歳女性では270mg、30~69歳女性では290mg、
70歳以上の女性では270mgと設定しています。
平成27年国民健康・栄養調査におけるマグネシウムの1日の摂取量の平均は243.9mgで、
推奨量と比較すると、不足気味です。
食品群別の摂取量を見ると、野菜、穀類、豆類からの摂取量が多くなっています。