玄米に含まれる食物繊維の豊富さは昔から有名ですが、
その中でも不溶性食物繊維というものが大きな役割をもっています。
水分を吸収して膨らんだ玄米の不溶性食物繊維は、
消化に時間がかかるために脳内の満腹中枢を刺激し少量で満足を得られるという面があります。
そのためにご飯の量を減らさなくてもダイエット効果が生じます。
また更に、不溶性食物繊維は腸を刺激し排便を促すことから便秘解消の効果もあり、まさに美容の味方。
そのためビタミン・ミネラルをはじめとする各種栄養素の吸収効率が高まり健康への好循環が生じます。
食物繊維の素晴らしさはこれだけではなく、体内のゴミ掃除をしてくれる点。
体内の食品添加物やガン化の原因になるさまざまな有害物質を吸着し絡め取って体外に排出します。
では栄養成分として食物繊維について調べていきましょう。
1・食物繊維とは何か
食物繊維とは、人の消化酵素では消化することのできない食べ物の中の成分です。
小麦ふすまに含まれるセルロースに代表される水に溶けない不溶性食物繊維と、
果物に含まれるペクチンに代表される水に溶ける水溶性食物繊維とがあり、
これらを合計したものが食物繊維(総)量です。
2・食物繊維の働きは
食物繊維は、便の量を増やして便秘を防ぐほか、最近では、
心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防に役立つこともわかってきています。
3・どのような食物に含まれているか
食物繊維は、不溶性・水溶性の種類によって健康への働きが異なるため、
いろいろな食品を組み合わせることが上手にとるコツです。
食物繊維の多い食品は、穀物、いも、豆、野菜、果物、きのこ、海藻などです。
毎食欠かさず食物繊維の多い食品を食べましょう。
4・どれくらいとるべきか
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、
国民健康・栄養調査結果をもとに一般的日本人の食物繊維摂取量が少ないことを考慮し、
今後5年間実現可能な量として成人の食物繊維「目標量」を1日19g以上としました。
男性では20g以上、女性では18g以上です。
しかし、毎日の健康なお通じのためには1日20g、
また心筋梗塞による死亡率の低下が観察された研究では
1日24g以上と報告されていますので、私たちは食物繊維をもっと積極的にとる必要があるのです。
一方、食物繊維のとり過ぎによる健康障害は、普通の食生活ではほとんどなく、
逆に努力しないとすぐに不足しがちです。
食物繊維を多く含む食品を食べやすく調理するなどしてしっかりとるようにこころがけましょう。