私の手元に琉球大学名誉教授で医学博士、伊藤悦男氏の書かれた
「がん患者は玄米を食べなさい」があります。
玄米の力を医学と科学的に用いたがんの改善記録書です。
この本をベースにして、要旨をまとめ、解説をしていきます。
このコーナで玄米食の凄さを知っていただければさいわいです。
伊藤博士の住んでおられる沖縄では有名になったのは「沖縄26ショック」です。
沖縄はかつて長寿日本一と賞賛されていました。
特に1985年には平均寿命が世界 1位となり、世界長寿地域宣言を発表しました。
ところが、その後、男性の平均寿命が徐々に短くなってきたのです。
女性の長寿日本一は続いています。
ところが、男性の平均寿命は1990年に5位、1995年に4位、
そして2000年にはとうとう26位まで順位を下げました。
沖縄の人たち(そして医学界)に与えた衝撃―26ショック-は大変でした。
沖縄にいったい何が起こったのでしょうか。
米・ハンバーガーチェーンのマクドナルドが日本に上陸したのは1971年ですが、
すでにその10年前から沖縄には、A&Wというハンバーガー店がありました。
アメリカは1960年ごろから肥満が増え始め、
今や世界ナンバーワンの肥満大国です。
ファストフードの普及とともに肥満が増えるという事実は、
もはや証明されているといってもよいと思います。
沖縄の人々はファストフードが大好きなようで、
ケンタッキーフライドチキンや、モスバーガー、ミスタードーナツなどは人気が高いお店です。
1960年代生まれの沖縄の男子は、2010年で50代になっているわけですから、
生活習慣病で悩む人が多くても不思議ではありません。
日本を全国的に眺めると、肥満指数(BMI)が30以上という人はまだまだ少なく、
3%に満たないとか。肥満という意味では、日本人は世界でも優秀な国民とされています。
外国ではプロモーションが盛んになっているのに、
沖縄ではまったく逆な現象が、過去50年間続いてきたことになります。
例えば、100歳以上の元気な方が沖縄にいらしたとしても、
50代の男性たちがその後に続いているとは全く言えない状態で、
働き盛りの早世も目立ってきていて、深刻な問題となっています。
大手スーパーのトイレ(女子の)のドアの内側にはこのような張り紙があるそうです。
「インスリンの注射器を放置したり捨てたりせず、必ず家に持って帰りましょう」と。
それだけ病が深刻で糖尿病、がんが急増している沖縄の現実の姿なのです。