Mレポートで元禄以前の日本の食事が最も理想的な食事と報告されてから、
アメリカで日本食ブームだけが先行しましたけれどもMレポートでは、
どうして「元禄以前の食事」と報告したのでしょうか。
まず歴史的に明確なのは、元禄時代以後は、江戸を中心に白米になりました。
これは小石川療養所の病人食に白米が出されるようになり、
そして精米技術が発達して、白米が主流となっていきました。
そのため「江戸わずらい」という病が広がり(脚気)ました。
江戸では、これまでの玄米を精白してしまい、
胚芽に含まれるビタミン、酵素、ミネラル、食物繊維といった、
貴重で重要な栄養素を摂取できなくなったために「江戸わずらい」が流行したわけです。
ですからMレポートでは、元禄以前の玄米を主食としていた時代が
世界で最も理想的な食としました。
その内容は、それまでの伝統的な日本の食事、
精白しない玄米を中心とした殻類と季節の野菜や海草や、
小魚類といった内容だったのです。この食事に最も近い食事こそ、
私たちが提供する本格的な発酵薬膳メニューなのです。
このMレポートにより、アメリカでは、代替医療が見直されたことです。
食事・栄養療法、薬草(メディカルハーブ)、
ライフ・スタイルの改善、心理カウンセリング、カイロプラティツクなどが盛んに取り入れられていきました。
これまでの西洋医学である手術、クスリ漬けの医療から、
自然の医学、自然治癒力の医学へと大きな変貌を遂げていくのです。
アメリカでは、病気になったらまず、代替医療を優先させ、治らなかったら西洋医学である手術、
クスリ処方となりました。
また、教育でもアメリカでは、食事・栄養ガイドラインを作成し、
国民から学校に至るまで健全な食事こそがガンにならないという予防医学に
重点が置かれるようになっていきました。
1980年に書かれた「栄養とあなたの健康・アメリカ国民のための食事ガイドライン」、
引き続き国民がすぐ実践できる「ガイドライン活用のためのメニューと料理法」は
アメリカ農務省から発行されています。
中でも分かりやすく農務省が作成したのは、食事ピラミッドです。
ピラミッドを支えるのは何と玄米、玄麦などの穀物、頂点はニンニクなどの野菜が大半です。
このピラミッドは全世界の食事指針のガイドラインとなりました。
私たちの「藤樹の宿」では、このガイドラインに沿った野菜を中心にした発酵薬膳食として
調理していますので、肉類はありません。
肉はガンの元凶であることは、アメリカのMレポートが証明しているのです。
むろんMレポート以降、アメリカの肉食の消費はかなり減りましたので、
余剰肉は日本などになだれ込みました。
それがマクドナルドなるどのような外食産業で用いられたのであり、
今もそれはまったく変わっていません。