糖質ダイエットの危険性について
5年前に週刊現代が警告の特集を組んでいましたので、全文を紹介しました。
しかし、その後も糖質オフダイエットはますます盛んになっています。
特に糖質オフダイエットを前面に押し出したライザップ商法は
それに拍車をかけています。
多くの健康本を発行しておられる石原結實医師も
「糖質制限は危険」を発行しておられます。
その記事の要旨を紹介しておきます。
糖質制限がなぜ問題なのかを対比で書いておられます。
それを私なりに解釈して紹介していきます。
まず糖質制限推進派は、
「糖こそ毒で、ドラック化しているから危険そのものであり、糖質はすべて避けよ」ですが、
何でも糖は悪いのでしょうか。
まず糖質制限推進派の言い分は、
糖を食べると脳から快感物質であるβ―エンドルフィン(モルヒネ)が分泌され、
その結果、どんどんと糖を欲しがり、食べ過ぎで肥満になる。
ゆえに肥満になれば様々な生活習慣病が発生する。
ゆえに糖は危険ドラックなのだ。」
このような主張ですが、この主張は大きな誤りがあります。
私たち個々の人体の細胞は、60兆個で構成されていますが、
この細胞は100%、糖に依存しているのです。
まず、糖が口に入ると脳から快感物質であるβ―エンドルフィンが分泌しますが、
それは「旨い」、「幸せ」「心地よい」という満足感を生み出します。
ケーキ職人がいいました。「ケーキは生きるために作るのではなく、
幸せになっていただくために作っているのだ」というのですが、
まさに糖は生きるためではなくカラダの喜びにあります。
人間にとって一番大切なものは糖質なのです。
健康長寿ネットにはこのような記事があります。
ブドウ糖や果糖などの単糖から、構成されているものを総称して炭水化物と言います。
炭水化物には大きく分けると、体内に吸収されてエネルギー源になる「糖質」と、
消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」とに分けることができます。
炭水化物は構成している単糖の数が1個のものを単糖類、
2個のものを二糖類、2~10数個のものを少糖類、それ以上のものを多糖類と言います。
二糖類にはショ糖、乳糖、麦芽糖などがあります。
これらは、すべて体の中でエネルギーになる「糖質」です。
ショ糖は、調味料として普段使っている砂糖のことで、
ブドウ糖と果糖が結合したものです。
牛乳に多く含まれています。
よく牛乳を飲むとお腹がゆるくなることがあります(乳糖不耐症)。
これは乳糖を分解する酵素が足りなくて、消化不良を起こしているのです。
少糖類はオリゴ糖とも言い、腸内の善玉菌を増やす効果があるとして、
特定保健用食品にも利用されています。
多糖類には、代表的なエネルギー源となるでんぷんや、グリコーゲンがあります。
どちらもブドウ糖が多数結合したものです。
また、果物に多く含まれるペクチン、こんにゃくに含まれるグルコマンナン、
寒天に含まれるアガロースなどの食物繊維も多糖類に分類されます。
炭水化物のうち、ショ糖やでんぷんなどの糖質は、
体の中で1gあたり約4kcalのエネルギーを産生します。
炭水化物は体内では、主に血液中にブドウ糖の形で存在しており、
血液中のブドウ糖の濃度が血糖値となります。
食事をして血糖値が高くなるとインスリンによって血糖値は低くなり、
反対に、空腹になり血糖値が低くなってくると
グルカゴンといったいくつかのホルモンによって血糖値は高くなります。
このように、血糖値は厳密に一定の濃度(80~140mg/dl)に保たれているのですが、
インスリンの分泌量が少なかったり、
感受性が悪くてうまく働かなかったりしてこの調整がうまくできず、
血糖値が高くなりすぎてしまうのが糖尿病です。
1日に必要な炭水化物の量(目標量)を表にしました。男女とも1日に摂取するエネルギーの50~65%に相当する量です。
例えば一日に摂取するエネルギーが2,000kcalの場合、50~65%に相当するエネルギー量は、2,000kcal×0.5~0.65=1,000~1,300kcal。炭水化物は1gが約4kcalですから、1,000~1,300kcal÷4=250~325g。つまり一日に250~325gの糖質を摂取することが望ましいということになります。
人がエネルギーとして使える栄養素は、炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質の3種類がありますが、すぐにエネルギーに変えられるのがブドウ糖です。しかし、体の中では、糖質は少量のグリコーゲンとして肝臓や筋肉の中に蓄えているだけで、余分なエネルギーのほとんどは脂肪として体の中に蓄えられています。
エネルギーとして血液中のブドウ糖を消費してしまうと、肝臓や筋肉の中に蓄えられているグリコーゲンを分解するのですが、その量はそれほど多くないため、グリコーゲンも尽きてしまうと、エネルギーが不足し、疲れやすくなります。
特に、脳は、ブドウ糖を唯一のエネルギー源にしています。脳は、昼夜、活動時休息時問わず、ほぼ一定の速度でブドウ糖を燃焼しており、脳だけで一日に120gものブドウ糖を消費するともいわれています。そのため糖質が不足すると、脳や神経への栄養が行き届かなくなくなるため、判断力が鈍り、注意力が散漫になってきます。
炭水化物のうち、糖質は、ご飯、パン、麺類などの主食、イモ類などにでんぷんが多く含まれています。また、砂糖や果物などの甘いものにも含まれていますが、甘いものは血糖値を急激に上げてしまうため、糖質としては、でんぷんを多く摂ったほうが良いでしょう。
炭水化物はご飯、パン、麵類などの主食に多く含まれています。主食は1日に何からどのくらい食べたらよいか摂取量の目安は、厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド」が参考になります。食事バランスガイドの活用法、主食の摂取量の目安について詳しくはリンク1、2をご覧ください。