少糖類はオリゴ糖とも言い、腸内の善玉菌を増やす効果があるとして、
特定保健用食品にも利用されています。
多糖類には、代表的なエネルギー源となるでんぷんや、グリコーゲンがあります。
どちらもブドウ糖が多数結合したものです。
また、果物に多く含まれるペクチン、こんにゃくに含まれるグルコマンナン、
寒天に含まれるアガロースなどの食物繊維も多糖類に分類されます。
炭水化物のうち、ショ糖やでんぷんなどの糖質は、
体の中で1gあたり約4kcalのエネルギーを産生します。
炭水化物は体内では、主に血液中にブドウ糖の形で存在しており、
血液中のブドウ糖の濃度が血糖値となります。
食事をして血糖値が高くなるとインスリンによって血糖値は低くなり、
反対に、空腹になり血糖値が低くなってくると
グルカゴンといったいくつかのホルモンによって血糖値は高くなります。
このように、血糖値は厳密に一定の濃度(80~140mg/dl)に保たれているのですが、
インスリンの分泌量が少なかったり、
感受性が悪くてうまく働かなかったりしてこの調整がうまくできず、
血糖値が高くなりすぎてしまうのが糖尿病です。
1日に必要な炭水化物の量(目標量)を表にしました。
男女とも1日に摂取するエネルギーの50~65%に相当する量です。
例えば一日に摂取するエネルギーが2,000kcalの場合、
50~65%に相当するエネルギー量は、
2,000kcal×0.5~0.65=1,000~1,300kcal。
炭水化物は1gが約4kcalですから、1,000~1,300kcal÷4=250~325g。
つまり一日に250~325gの糖質を摂取することが望ましいということになります。
人がエネルギーとして使える栄養素は、
炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質の3種類がありますが、
すぐにエネルギーに変えられるのがブドウ糖です。
しかし、体の中では、
糖質は少量のグリコーゲンとして肝臓や筋肉の中に蓄えているだけで、
余分なエネルギーのほとんどは脂肪として体の中に蓄えられています。
エネルギーとして血液中のブドウ糖を消費してしまうと、
肝臓や筋肉の中に蓄えられているグリコーゲンを分解するのですが、
その量はそれほど多くないため、グリコーゲンも尽きてしまうと、
エネルギーが不足し、疲れやすくなります。
特に、脳は、ブドウ糖を唯一のエネルギー源にしています。
脳は、昼夜、活動時休息時問わず、ほぼ一定の速度でブドウ糖を燃焼しており、
脳だけで一日に120gものブドウ糖を消費するともいわれています。
そのため糖質が不足すると、脳や神経への栄養が行き届かなくなくなるため、
判断力が鈍り、注意力が散漫になってきます。
炭水化物のうち、糖質は、ご飯、パン、麺類などの主食、イモ類などに
でんぷんが多く含まれています。
また、砂糖や果物などの甘いものにも含まれていますが、
甘いものは血糖値を急激に上げてしまうため、糖質としては、
でんぷんを多く摂ったほうが良いでしょう。
炭水化物はご飯、パン、麵類などの主食に多く含まれています。
主食は1日に何からどのくらい食べたらよいか摂取量の目安は、
厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド」が参考になります。