糖質制限ダイエット、低炭水化物ダイエットなど様々な名前で呼ばれる糖質や
炭水化物の摂取を制限するダイエットが大流行して、
その流行は今もなお、衰えずスポーツ現場においても、
特に若い女性アスリートに糖質制限ダイエットを取り入れている方は非常に多く、
またライザップのように糖質制限ダイエットをフイットビジネスとして多角展開していますが、
これらのダイエット理論の中では、徹底した糖質を悪者扱いとされていますが、
果たして糖質・炭水化物は、実は身体にとって一番重要な栄養素で悪玉扱いするのは
無謀としかいいようがありません。
しかも、糖質と炭水化物を混同して使われている方が圧倒的に多く、
ヒトの消化酵素で消化される「糖質」と消化されない「食物繊維」を合わせて
「炭水化物」と呼ぶのは常識です。
ジムや趣味で定期的に運動を行う方やアスリートにとって、
糖質はトレーニングを行うための重要なエネルギー源となっています。
糖質・炭水化物を極端に制限することは集中力、持久力に影響を与え、
トレーニング効果を減らすだけでなく、けがや疲労にもつながりやすくなります。
これらのことから、運動をされる方に糖質制限ダイエットは極めて危険で直ちに止めるべきです。
まず問題点
1.体重は減っても、体脂肪は減少しにくい
極端な糖質制限ダイエットは始めた当初からすぐに体重が落ちますが、
その理由は体脂肪が落ちているわけではなく、実は体内の水分量が減っているからなのです。
糖質を制限すると肝臓に貯蔵してある糖質(グリコーゲン)が使われます。
肝臓に糖質1gを貯蔵するときに水分3gが付いた状態で貯蔵されているため、
グリコーゲンが使われると同時に体の水分量も減るというメカニズムになります。
大幅に体重が減ってもそのほとんどが水分で、体脂肪が減っているわけではないのです。
2.栄養素の偏りによる病気のリスク
【糖質不足による脳の機能低下】
脳はブドウ糖を唯一のエネルギー源とする器官。糖質抜きの状態が長期間続くと、集中力の低下やイライラといった状態に陥りやすくなります。
【ケトン体増加による障害】
糖質不足によりブドウ糖が枯渇すると、脂質を燃焼してエネルギー源としますが、その代謝産物として産生されるのがケトン体。
ケトン体が多くなると体液が酸性に傾き、悪心や嘔吐、ひどい場合には昏睡状態などを引き起こすようになります。
【栄養バランスの乱れにより、ドロドロ血液に】
糖質を摂らない分、タンパク質や脂質の摂取量が増え、栄養バランスが乱れます。
さらに過剰なタンパク質は腎機能を悪化させ、
過剰な脂質は動脈硬化を促進させて心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める恐れがあると
指摘されています。
【食物繊維不足によるカラダの不調】
穀物やいも類・果物などから得られる食物繊維や人体に不可欠な栄養素が不足し、
便秘などの不調を起こしやすくなります。
その他、骨粗しょう症や低栄養性脂肪肝を引き起こす可能性もあるのです。