日本ではようやくファスティングも25年前に比べたらかなり知られてきました。
しかし、ほとんどのファスティング入門書は、ヨガ系です。
ここ数年、ファスティングの入門を書かれておられる船瀬俊介さんの著作では、
大半がヨガ系をベースにしておられます。
しかし、このヨガ系で果たして良いのでしょうか。
ファスティング民族、断食民族であるユダヤ教を無視しておられるのは
かなりの落ち度ではないかと思います。
おそらく旧約聖書をまったく読んでおられないようです。
旧約聖書で「断食」を検索しますと45回登場します。
新約聖書で23回です。
また断食とほぼ同じ「苦行」は、旧約聖書で10回です。
つまりユダヤ教のテキストには、合計、55回。新旧併せて78回ですから、
いかに断食が聖書の基本であるかが分かります。
それですから聖書のファスティングを読まないと
ファスティングをまったく誤解してしまいます。
それはファスティングが自己目的になってしまうからです。
ファスティングの基本は、自己目的の断食ではなく、神のため、隣人のためなのです。
つまり自分の健康維持、ダイエット、自己開発など自分、自分、自分ではないのです。
天地を創造された方を讃美するためのファスティングなのです。
それを正しく理解しないとファスティングは何も分からないのです。
まず聖書を手にして読んでいただきたいのです。
これはいかなる日本の断食の手引書であっても
この言葉に勝るものは何一つとしてありません。
58:6 わたしの選ぶ断食とはこれではないか。
悪による束縛を断ち、 軛の結び目をほどいて/虐げられた人を解放し、
軛をことごとく折ること。
58:7 更に、飢えた人にあなたのパンを裂き与え/さまよう貧しい人を家に招き入れ/
裸の人に会えば衣を着せかけ/同胞に助けを惜しまないこと。
58:8 そうすれば、あなたの光は曙のように射し出で/
あなたの傷は速やかにいやさる。
ここに書かれてあることをまとめますと
1・隣人が何らかの縛られているならばそれを解放させるために断食をしなさい。
2・誰かに差別され、虐待されている方のために断食をしなさい。
3・飢えた人に断食して、あなたが食べなかった分だけ分け与えなさい。
4・何も持たない貧しい人をもてなしなさい。
このように自分のためではなく、
最も弱く、差別、貧困に苦しむ同胞の人たちのために断食はあるのだ、というのです。