ユダヤ教の清潔を守る大きな特色は割礼にあります。
これは男性の世紀を覆う包皮を切り取る儀式です。
キリスト教では否定され、洗礼だけが残りましたが、
この儀式には清潔の意味があります。
割礼はユダヤ人の母親から生まれた男性は生後8日目に受けます。
しかし、成人男性が改宗するとなると外科手術となります。
割礼はユダヤ教徒の最大の徴で、創世記に記されています。
創世記
17:10 あなたたち、およびあなたの後に続く子孫と、わたしとの間で守るべき契約はこれである。すなわち、あなたたちの男子はすべて、割礼を受ける。
17:11 包皮の部分を切り取りなさい。これが、わたしとあなたたちとの間の契約のしるしとなる。
17:12 いつの時代でも、あなたたちの男子はすべて、直系の子孫はもちろんのこと、家で生まれた奴隷も、外国人から買い取った奴隷であなたの子孫でない者も皆、生まれてから八日目に割礼を受けなければならない。
17:13 あなたの家で生まれた奴隷も、買い取った奴隷も、必ず割礼を受けなければならない。それによって、わたしの契約はあなたの体に記されて永遠の契約となる。
17:14 包皮の部分を切り取らない無割礼の男がいたなら、その人は民の間から断たれる。わたしの契約を破ったからである。」
生後8日目は割礼をしてもすぐ血が止まる期間とのこと。
そして割礼は医学的に女性の性器を守る予防措置であったのです。
現代医学でわかることは
エイズ、クラジミア、淋病、性器ヘルペス、B型肝炎など性交感染病の原因が、
包茎が大きな原因だと分かってきました。
男性の性器に皮が覆っているとそこに老廃物がたまり、
ウイルスや細菌がわき、それが男性の健康だけではなく、
女性の健康に悪影響を与えるのです。
男性性器から女性の性器に
細菌やウィルスが侵入し、子宮頸がん、不妊などの原因となることが分かっています。
割礼をしている男性からはそのような感染が極めて少ないというのです。
割礼は女性を守り、正常妊娠をするための知恵だったのです。
ユダヤ人の清潔の徹底はこうした割礼という儀式の背景なのですが、
これも数千年前に科学もない時代にアブラハムに命令した神は凄いものだと感心します。
そして公衆衛生が徹底した宗教であることです。
公衆衛生はあくまでリスク回避です。
細菌、ウイルスは未知なものが多く、徹底して回避する、
疫病が起こったら隔離するというのが数千年前からのユダヤの思想の根底にあったのです。
これを避病といいます。
ユダヤ人はホロコーストのような迫害を受け続けてきましたので、
まずリスクを避ける民族となっています。
その一つが清潔を保つことです。
ユダヤ人のコーシャレストランには手洗い場とトイレは必ず別にあります。
手洗いだけにトイレに入ることは汚物接触のリスクがあるからです。
日本人の清潔志向は穢れをきらう神道の要素ですが、
ユダヤ人は健康を守る、細菌による病気を防ぐというリスクマネジメントなのです。