私たちは日常の何気ないことでも、意識して身体と頭を使い、
認知症の発症や進行を少しでも緩やかにすることは可能なのです。
軽度認知障害とはMCIとも呼ばれ、認知症の前段階のことです。
もの忘れなど多少の認知機能の低下はあるものの、
認知症ほど症状は深刻ではありません。
軽度認知症と診断された人のうち、約半数は認知症になっていくと言われていますが、
4分の1の人は、健常な状態に戻っています。
この段階のうちから、しっかりと認知症予防に取り組めば、
認知症の発症を防ぐことができます。
また認知症の予防として効果的とされているのが、好奇心を持つこと、
囲碁や麻雀などの頭を使うゲームに取り組むことなどです。
先に述べた予防法と共通しますが、
いずれにしても、好きなことをやって日々を楽しく過ごすことが大切です。
しかし、さらに重要なことは笑いなのです。
また、最近では、認知症予防の講座や体操教室などを行う自治体も多く出てきました。
このような取り組みは、市区町村自治体が実施している
「介護予防・日常生活支援総合事業」の「一般介護予防事業」に位置づけられていますので、
その自治体に住んでいる65歳以上の方であれば誰でも参加することができます。
介護保険の要介護認定を受けている必要はないので、
「以前に要介護認定を申請したが、非該当だった」という方にもおすすめです。
これは教室や講座で学ぶ内容はもちろん、
参加して他人と交流を持つことも認知症予防にもなります。
認知症は一度発症すると治癒や改善が難しいだけに、できるだけ早期発見を行い、
症状が重度化しないうちに進行を遅らせることが大事なので
このような講座も必要なのです。
認知症の中には、「特発性正常圧水頭症」のように原因となっている
病気を早期治療することによって治すことができる場合もあります。
認知症を早期発見するためのチェックリストを公表しています。
また、ホームページでも閲覧できるので、一度確認してみるものいいでしょう。
「些細なことで怒りっぽくなった」や
「以前持っていた関心や興味を失い、意欲がなくなった」などのチェック項目に応え、
もし該当するものが多かったら、
一度専門医の診察を受けてみることをおすすめします。