健康リスクマネジメントは何歳から始めるのがベストなのかを書いていますが、
その目安は、本来なら迷信のはずの厄年なのですが、
年齢研究所所長、茨城キリスト教大学名誉教授板倉弘重医師が科学的な実証研究で
真の厄年を算出されましたので、
新しい解釈の大厄年は50歳から60歳というのが分かったのです。
特に50歳の新・厄年になる男性を待ち受けるのは、
責任ある職務につくことで会社から受けるプレッシャーです。
「50代で管理職になってから急に体の不調を訴える人は多く、
そのストレスが原因で男性ホルモンの分泌が低下しているためだといわれます。
ある専門医の話によると、男性ホルモンの分泌量は、20歳をピークに徐々に低下し、
ストレスによっても低下。
50歳を超えて強いストレスを受けることで急激に低下する男性が多いというのです。
またこの医師は、「男性ホルモンが減少するとまず筋力が低下し、疲れやすくなる。
さらに中性脂肪が増えます。
いわゆる中年太りは、男性ホルモンの減少に原因があります。
さらに、男性ホルモンと糖尿病の関係も明らかになり、血糖値が高い人は、
男性ホルモンの分泌量が低いことがわかっています。
つまり、ホルモン分泌の低下で糖尿病が進行する恐れがあるのです」。
50歳になって職場で責務が増す役職や日々の仕事が忙しくなると、
そのストレスによってホルモンが減少し、肥満や倦怠感、
さらには糖尿病が悪化して心疾患や脳卒中などを引き起こすのです。
またある医師は、「30代の頃から血糖値が高くても放っておいて、
50代で合併症が突然現れることもあります」と警告しておられます。
また女性では52歳のターニングポイントとなります。
女性の場合も「女性ホルモン」が主に関係しています。
男性ホルモンと違って、女性ホルモンは分泌量が低下するタイミングが明確です。
52歳は、多くの女性が閉経を迎え、その後女性ホルモンが急激に減少していく年齢なのです。
「閉経年齢と言われるのは50~51歳で、その数年前から徐々に女性ホルモンは低下していきます。
それに伴って、頭痛や耳鳴り、手足の冷え、自律神経障害などさまざまな自覚症状が現れてきます。
こうした体の不調をすべて『更年期だから』と片付ける人は多いですが、
それは非常に危険です」とある医師は警告しています。
この医師は更年期のような動悸や息切れが出て、
なかなか治まらないという50代前半の女性に循環器内科の受診を勧めたところ、
心筋梗塞の前触れだったこともあったといいます。
女性ホルモンと心疾患は、じつは大きく関係しています。
この医師は、「女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、
血管の保護作用があり、さらに抗酸化作用を持っています。
それによって、例えば血液中の悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化になりにくくなる。
だから女性は閉経後が要注意です」と指摘しています。
逆に言うと、閉経によって女性ホルモンが減少することで動脈硬化が進み、
心疾患や脳卒中などの病気のリスクが増大するのです。