日本は先進国で経済的に大変、恵まれている国民なのに、なぜ不幸に感じているのか、
悲観的な人が多いのか諸外国では分からないようです。
ですから豊かさのハードルが上がってしまったので幸せの不感症になっているのではないか
と思われているのでしょうか。
中でも日本人男性の不幸度は世界トップで自殺と深い関係があります。
それは日本独自の世間体という社会的なプレッシャーがあり、
日本人男性の根が真面目すぎ、しかも完璧さを求め、「社会人ならこうあるべき」、
「男ならこうあるべき」などと周囲の目が厳しいものがあります。
しかし、海外では個人主義なので我が道をいく楽観的な人も多いけど、
日本人は真面目なので一定のレールから外れると生きづらくなり、ヒキコモリを選択し、
自ら破滅の道(=自殺)に追い込まれてしまうのです。
また勤務時間と通勤時間が異常に長く、さらに不幸感に拍車をかけています。
しかも、いまの若者は老後の年金ももらえるかわからないため貯金に励み、
余暇のレジャーになかなかお金を使えず、
バカンスという概念がないのも気分転換できずに鬱になってしまうのです。
また日本独自の特徴は、何か不祥事があると責任感から自殺を選ぶ人が多いのですが、
不祥事が起きると責任感から自害した空気に支配された国民性と海外では理解されています。
その証拠に発展途上国は自殺がほとんどないのは生きるのに一生懸命で、
そのようなこと考えている暇もないからです。
しかし、先進国はすでに何もかも満たされているため、
それ以上の希望を見つけにくいということから自殺を選択してしまうのです。
また自殺は日本経済の闇が見えてきますし、
経済格差で都市部から切り離された地方で増加しているのです。
20世紀の後半から自殺が急増しています。
1998年頃から悪化したバブル崩壊の影響で、失業や倒産、非正規職員が増加し、
それがストレスとなり、「うつ」につながることで、自殺が急増したのですが、
警察の自殺の動機調査は、それを裏付けています。
1997年から98年にかけて「経済・生活問題」で死んだ自殺者は、
3556人から6058人へと、1.7倍に急増しているのです。
では自殺の増加は都市部ではなく、なぜ、地方に多いのでしょうか。
自殺がもっとも増えた2003年とその前の1997年を較べた調査では、
1.67倍の福井を筆頭に福島、三重、福島、長崎、石川、青森、熊本、香川、岩手、秋田
が増加しています。
高度成長以前、自殺は都市部で目立ち、たとえば1965年の自殺率の上位10都道府県には、
東京、大阪、京都、兵庫などの人口集積地ですが、
高度成長期以後、地方で自殺が目立ち始めたのかといえば、
そのもっとも大きな理由は、高齢化なのです。
高齢者の自殺率は相対的に高く、高齢化の進む地方で自殺は多発しているのです。