引き続き国立がんセンター一般向けサイトの引用です。
野菜・果物にはカロテン、葉酸、ビタミン、イソチオシアネートなどさまざまな物質が含まれており、
これらの成分が発がん物質を解毒する酵素の活性を高める、
あるいは生体内で発生した活性酸素などを消去すると考えられています。
しかし、野菜・果物は、確実にがんのリスクを下げるという報告はされておらず、
じゃがいもなどを除いた非でんぷん野菜が、口腔・咽頭・喉頭で、
果物が口腔・咽頭・喉頭・肺で、がんのリスクを下げる「可能性が大きい(Probable)」と
報告されています。
国際がん研究機関のワーキンググループでは、「野菜・果物によるがん予防効果は、
必ずしも確立した関連ではない。しかし、がんを含むあらゆる病気の予防の観点から、
野菜・果物を多くと摂ることは推奨される。」と報告されています。
塩蔵食品は胃がんのリスクを上げる「可能性が大きい」と報告されています。
高濃度の塩分は胃粘膜を保護する粘液を破壊し、
胃酸による胃粘膜の炎症や、ヘリコバクター・ピロリ
(ピロリ菌[Helicobacter pylori : H. pylori])の持続感染を引き起こしたりすることにより、
胃がんのリスクを高めると考えられています。
また、塩蔵食品は塩分だけでなく、亜硝酸やニトロソ化合物などの発がん物質を含むため、
胃がんのリスクを高めると考えられています。
このサイトでは塩蔵食品に大きな問題があることを指摘しています。
辞書で引くと・・・
塩蔵食品 [Salted food]は、野菜類、肉類、魚介類、海藻類などに多量の食塩を加えて、
その脱水作用あるいは高浸透圧作用によって腐敗あるいは変敗を防いで、
長期間の貯蔵ができるようにした、いわゆる「塩漬品」が多い。
塩蔵には原料食品に直接食塩を振りかけ容器内に堆積(詰める)する方法(振塩漬法)と、
原料食品を高濃度の食塩水に浸漬して貯蔵する方法(立塩漬法)がある。
食塩量は原料の40%程度がよく用いられる。
4・肥満
体格の影響で、以下のリスクが「確実」に上がると報告されています。
肥満・・・食道・膵臓・肝臓・大腸・乳房(閉経後)・子宮体部・腎臓のがん
成人後の体重増加・・・乳房(閉経後)のがん
高身長・・・大腸・乳房・卵巣のがん
肥満が発がんに及ぼすメカニズムは多様であると考えられますが、
脂肪組織中からエストロゲン(女性ホルモンの一種です)が産生されることで、
子宮体がんや閉経後乳がんのリスクを上げると考えられます。
また、肥満に伴ってインスリンが十分に働かなくなり、
インスリンが過剰に分泌されてしまう高インスリン血症が起きたり、
細胞の増殖・分化を促進するインスリン様増殖因子が持続的に増加したりすることで、
結腸がんなどのリスクを上げると考えられます。
一方で、日本人などのアジア人を対象とした研究結果からは、
やせすぎによってがんのリスクが上がることが観察されています。
これは、栄養不足に伴う免疫機能の低下や、
抗酸化物質の不足などによるものと推察されます。