このようにドーパミンは快楽を与えるものですが、
その快楽状態が続くと、ドーパミンの分泌をコントロールできなくなります。
したがって
1・依存症
2・中毒
ということになっていきます。
これはコカイン、麻薬、覚せい剤による薬物依存症もドーパミンと関係しています。
他にもタバコ、アルコール、インターネットもドーパミンの快楽中枢、満足感が得られ、
ドーパミンが枯渇すれば、さらにそれらを欲しくなり、依存症になっていきます。
厚生労働省のeヘルスネットにはこのドーパミンについて次のように解説されています。
ドーパミン / dopamine /
神経伝達物質の一つで、
快く感じる原因となる脳内報酬系の活性化において中心的な役割を果たしている。
ヒトの脳には約 1,000億個の神経細胞が存在すると推定されており,
これらがお互いに連結しな がら複雑なネットワーク(神経回路)を形成しています。
その中でも「報酬系」と呼ばれる神経回 路の 1 つは、
楽しさや気持ちよさをもたらす刺激(報酬刺激)に応答して活性化します。
すると快 感や意欲などの感情が引き起こされ、我々はこれを経験として学習します。
報酬系回路に関与する 主な調節因子はドーパミンと呼ばれる神経伝達物質であり、
一般的に ”ハッピーホルモン” と呼ば れています。
ドーパミンは脳の側坐核と呼ばれる部位の中型有棘神経細胞に作用し、
細胞内で分子レベルの変化を引き起こし細胞の機能を調節します。
また、ドーパミンの機能不全は様々な精神・神経疾患で確認されています。
例えば、ドーパミンの過剰は統合失調症、注意欠陥・多動性障害および強迫性障害を、
ドーパミンによる快感を異常に求める状態です。
分子レベルで正確に把握することは、
これらの精神・神経疾患に対する効果的な治療法を開発する鍵となります。