疲労が蓄積すると、体調は悪化し、思考能力の低下にもつながります。
今回は疲れのメカニズムと疲労回復するための方法について考えてみましょう。
ではその疲れとは何かです。
「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、
または疾病によって生じた独特の不快感と
休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」と定義されています。
疲れを感じているときは、心身に過度な負荷がかかっている状態です。
疲れは、痛みや発熱と同様に
「これ以上、負荷がかかった状態が続くと体に害が及びます」という人間が
生命を維持するために感じるサインです。
心身の活動を抑えることで体を守ろうとしている状態であるとも言えます。
近年の脳科学研究により、疲れの発生メカニズムが徐々に解明されてきています。
心身に負荷がかかると、
・副交感神経機能の低下
・酸化ストレスの増加
・修復エネルギー産生の低下
・サイトカインによる炎症と神経伝達機能の抑制
という反応がおき、これらが疲労を起こしています。疲労は、「末梢性疲労」と「中枢性疲労」に分類することができます。
・末梢性疲労
末梢性疲労は、体の疲れです。体を動かし続けると、
筋肉では蓄えられたエネルギーが枯渇し、血流は悪くなり、
神経から筋肉の神経伝達が遅れるようになって、
筋肉のパフォーマンスは低下します。
また、運動によって傷ついた筋肉では炎症が起き、
筋肉痛といった症状となって現れます。
・中枢性疲労は、脳の疲れです。
必ずしも脳や体を使った程度とは比例せず、心理的・精神的な疲れによるものです。
例えば、過度な緊張や長時間続く会議の後などには、
ぐったり疲れを感じることがあるでしょう。
ストレスの感じ方は、中枢性疲労の発生に強く関連しているのです。