健康な人が突然、原因不明の激しいだるさや発熱などに見舞われます。
症状が長期間続き、睡眠障害や思考能力の低下などで日常生活に支障をきたします。
患者数の推計は8万~24万人ですが、3割はほぼ寝たきりとされています。
明確な治療法は確立されていないのです。
筋痛性脳脊髄炎(ME)と呼ばれることもあります。
私たちは、仕事が多忙を極め、睡眠もまともに取れず、
上司からのプレッシャーに押しつぶされそうだ。
ある朝目覚めると、起き上がることができない。
「起きなきゃ」「仕事に行かなくては」と必死に思っても、ベッドから出られない、
こうしたシチュエーションと、症状を聞くと、
つい「うつ病では?」と疑ってしまうのではないだろうか。
しかし最近、うつ病でないのに、うつ病に似た症状が出る病気が注目されているのです。
そして副腎疲労症候群とはどのようなことなのでしょうか。
人は多少のストレスを受けても、すぐに体調不良をきたすことはないのです。
それは人には、ストレスに耐える力が備わっています。
この力を「ストレス耐性」といいます。副腎は、ストレス耐性に関わる臓器です。
副腎は、腎臓の上に被さるように乗っています。
ドングリの形状に似ていて、腎臓が「ドングリ本体」で、
副腎は「ドングリの傘」といいます。
ストレスは脳で感じる。
ストレスを感じた脳は、副腎刺激ホルモンを出す。
副腎刺激ホルモンはその名の通り、副腎を刺激します。
刺激を受けた副腎は、抗ストレスホルモンを出します。
これをまとめますと
ストレス→脳→副腎刺激ホルモン→副腎を刺激→抗ストレスホルモン
という流れです。
抗ストレスホルモンは、「ストレスに抗(あらが)ってくれるホルモン」です。
副腎が抗ストレスホルモンを出すことで、
人が受けるストレスは軽減されます。
ゆえに副腎が疲労すると、抗ストレスホルモンが出ず、
人はストレスに負けてしまうのです。
抗ストレスホルモンは複数あり、副腎が出す抗ストレスホルモンを
「コルチゾール」といいます。
それでは、なぜ副腎が疲労するのだろうか。
ひとつ目の理由が、ビタミンC不足だ。副腎は、
血液に含まれるビタミンCの150倍の濃度のビタミンCを必要とします。
食生活が乱れ、ビタミンCが不足すると、
副腎が障害されると考えられているのです。
また、ストレスと闘う副腎も、ストレスによって傷つくことが分かっています。
特に生活のリズムが崩れることによるストレスの影響を受けやすいのです。
副腎が最も多くコルチゾールを出すのは午前8時ごろです。
その後、徐々に減り、夜にはほとんど出さなくなるのです。
それでも体に支障をきたさないのは、
一般的に、眠っている間はストレスを受けることが少ないため、
コルチゾールを必要としないからです。
しかし睡眠時間が短くなったり不規則になったりすると、
副腎の働きが乱れると考えられるのです。