3・虚血
まれに、脚にできた非常に大きな血栓により重度のむくみが起こり、
その結果、脚の血流が遮断されることがあります。脚は青白くなり、
激痛が起こります。血流が回復されないと、壊疽が起こる可能性があります。
では症状はどうなのでしょうか。
深部静脈血栓症の患者の約半数は無症状です。
このような場合には、
胸の痛みや息切れが肺塞栓症による異常を知らせる最初の症状になります。
脚の太い静脈の血流が遮断されると、ふくらはぎがむくんで、
痛み、圧痛、熱感などの症状が現れることがあります。
足首、足、または太ももにむくみが現れる場合もありますが、
これはどの静脈に血栓が形成されたかによって異なります。
同じように、腕の静脈に血栓ができると腕が腫れます。
この病気の診断は
・ドプラ超音波検査
・Dダイマーを測定する血液検査
深部静脈血栓症は発見が困難で、特に痛みや腫れがまったくみられないか、
ごく軽い場合には難しくなります。
この病気が疑われる場合には、ドプラ超音波検査を行って診断を確定します。
また、ときに血液検査を行い、
血栓から放出されるDダイマーという物質の濃度を測定することもあります。
血液中のDダイマー濃度が上昇していない場合は、
おそらく深部静脈血栓症ではありません。
肺塞栓症の症状がある場合には、
CT血管造影検査や放射性物質を使った肺シンチグラフィーによって
肺塞栓症の検出を行い、ドプラ超音波検査で脚の血栓がないか確認します。
これらの検査は、血圧または酸素レベルが非常に低くなったことで
失神が起きた場合を除いて行われます。
失神した場合は重度の肺塞栓症が疑われ、直ちに治療する必要があります。
MSDマニュアル家庭版「深部静脈血栓症」を参照しています。