それでは、マクロビオティックの玄米菜食には具体的にどのような効果があるのでしょうか。
まず、健康効果です。玄米には白米に比べると、はるかに豊富な栄養が含まれています。
それらの多くは通常の食生活ではなかなか摂取できないものばかり。
そのため、マクロビオティックを実践すると、十分な栄養補給が行われるため、
健康的な身体を手に入れることができます。
「マクロビオティックの身体的な効果のひとつはダイエット効果です。
マクロビオティックは玄米菜食が中心。
そのため、通常の食事よりも圧倒的に低カロリーです。
また、玄米は胚芽やぬかなどが付いたままの状態なので、
しっかり噛んで食べる必要があります。
一般的な食事の場合、ついつい早食いになってしまうと満腹感を感じるのが遅くなり、
その分食べ過ぎてしまいがちですが、
マクロビオティックの食事はしっかり噛む必要があるため、
ダイエットにも非常に効果的です。
また、マクロビオティック食を続けることは、肌質アップにも効果が期待できます。
肌トラブルが起きる原因の多くは過剰な糖質や脂質。
しかし、マクロビオティックの場合、白砂糖や過剰な油は避けることができるため、
自然に肌質が改善していきます。
さらに重要なのが、玄米菜食による豊富な食物繊維の摂取。
食物繊維は満腹感を促進して食べ過ぎを防ぐだけでなく、
腸の中に溜まった老廃物をからめとって排出を促してくれます。
そのため、自然とデトックスができるため、肌質も改善していきます。
また、ストイックなマクロビオティック食を継続することは、
強い精神力が必要なものですが、その過程での精神的な効果も期待できます。
さらに玄米菜食を続けるときに気になるのが残留農薬などの問題。
マクロビオティックでは、「身土不二」「一物全体」の考え方に基づいて、
近くの土地で取れたものをまるごと食べるというのが基本。
その場合、皮のままの食材は、できるだけ自然な環境で栽培された、
残留農薬の少ないものを選びたいものです。
このように、農業やエコに対する関心が高まるというのも、
マクロビオティックを実践するメリットということができるでしょう。
一見、いいことばかりのように見えるマクロビオティックの玄米菜食ですが、
実践するときには注意したい点もあります。
それは、玄米菜食を行うと、どうしても食材が限定されるため、
不足しがちな栄養素があるということです。
玄米菜食でもっとも不足しがちなのがたんぱく質。
たんぱく質は、筋肉や内蔵、皮膚といった人間の身体を作るためには欠かせない栄養素。
しかし、肉類や乳製品、卵を避けるマクロビオティックでは
どうしても不足しがちになってしまいます。
そのため、マクロビオティックでは大豆などの豆類の摂取を勧めていますが、
たとえば木綿豆腐一丁を食べても、
一日に必要なたんぱく質の十分の一しか摂取することができません。
たんぱく質が不足すると、
代謝が低下して太りやすい身体になるというデメリットもあるため、
マクロビオティックの玄米菜食を行う場合には、
意識してたんぱく質を摂取する必要があります。
また、マクロビオティックでは、魚介類やレバーなどを食べる機会がないため、
ビタミンB12なども不足してしまいます。
ビタミンB12が不足すると、貧血や不眠、神経の障害につながるため、
こちらも意識して摂取することが必要です。
ビタミンB12が含まれている食材は海苔。
海苔は植物性食品のなかでもビタミンB12を含む貴重な食品なので、
できるだけ意識して食べることを心がけましょう。
ダイエットや健康維持などの効果もある玄米菜食。
ただし実践するときには栄養面で注意したいこともあります。
もしマクロビオティック食を試してみたいというときには、
しっかり基礎知識を身につけることが大切かもしれません。