1・血色素(ヘモグロビン)とは?
ヘモグロビンは赤血球の中に含まれるもので、
ヘモグロビンが酸素と結合することによって
赤血球が酸素を運搬することを可能にしています。
肺で赤血球が酸素を取り込み、それを末梢の組織へと運んでいきます。
2・ヘモグロビン検査でわかること
ヘモグロビンは検査結果一覧表では「Hb」と書かれることが多いです。
病院の医師や看護師の間の会話では「Hb」のドイツ語読みである
「ハーベー」という呼称が使われることが多いです。
3・ヘモグロビンの基準値は以下の通りです。
ヘモグロビン基準値
男性 13~17 g/dL
女性 11~16 g/dL
施設により基準値の幅が若干異なりますので目安としてください。
ヘモグロビンが少なくなった状態が「貧血」です。
貧血の原因はいろいろありますが、出血により血液が失われているか、
血液をつくりだす機能が低下しているか、
あるいは血液細胞が壊されてしまっているかのいずれかが考えられます。
貧血はかなり進行してからでないと自覚できるような症状は出ないことが多いです。
定期的な人間ドックなどで血液検査を受け、早い段階で発見することが大切です。
4・健康診断におけるヘモグロビン
健康診断においてはヘモグロビンの検査は、血液の一般検査と呼ばれます。
赤血球の数(RBC)の検査および、
血液中の赤血球の比率を調べるヘマトクリットの検査などが同時に行われます。
ヘモグロビンの値はg/dl(グラム・パー・デシリットル)という単位で表記されます。
異常なしとされる基準範囲は各学会や検査機関によりばらつきがありますが、
人間ドック学会においては男性の場合は
13.1~16.6g/dl、女性の場合は12.1~14.6g/dlまでが基準範囲とされています。
5・ヘモグロビンの値が低い場合
血色素の値が低い場合、血液に何らかの異常が起きていることが考えられます。
人間ドック学会においては、男性はヘモグロビンの量が12.0~13.0g/dlの場合に
「要注意」、11.9g/dl以下の場合に「異常」としています。
また女性は11.0~12.0g/dlで「要注意」、10.9g/dl以下で「異常」としています。
血色素の値が低い場合、鉄欠乏性貧血や身体の内外で起きている
出血、腎臓病によるもの(腎性貧血)、腫瘍などが考えられます。
骨髄の異常によるもの(再生不良性貧血)によっても、
血色素の値が低くなることがあります。
ヘモグロビンが低い時は貧血という病態とされています。