フロリダ州立大学の研究によると、リンゴには
「リンゴポリフェノール」や「ペクチン」が含まれていて、脂質代謝を改善し、
炎症を抑える作用があります。
160人を対象とした研究では、乾燥したリンゴを1日に75g、1年間摂取した女性では、
摂取しなかった女性に比べ、悪玉のLDLコレステロールが23%減少し、
体重も減少することが分かりました。
果物100gの目安 果物は食物繊維の供給源にもなります。
食物繊維は消化・吸収されることがなく、糖質の吸収をゆるやかにし、
脂質やコレステロールなどの吸収を抑えます。
食物繊維が多いと、満腹感が得られやすくなり、
食べすぎを防いで肥満予防にもつながります。
そして果物を食べても糖尿病リスクは上昇しません。
日本人5万人を5年間追跡した「JPHC研究」で、
果物を多く食べる人では、2型糖尿病のリスクが上昇しないことが分かったのです。
この研究は、日本人を対象に、食事などの生活習慣と
がん・2型糖尿病・脳卒中・心筋梗塞などとの関係を明らかにする
目的で実施されている多目的コホート研究です。
野菜と果物を十分に食べている人では2型糖尿病の発症リスクが低下したのです。
野菜と果物に含まれる抗酸化ビタミンやカロテノイドなどが、
血糖を下げるインスリンの感受性を高めていると考えられています。
果物を多く食べる人は、あまり食べない人と比べ、
脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが低下することも分かっています。
ただし食べ過ぎには注意が必要です。
一方で、果物には糖質もそこそこ含まれています。
中ぐらいの温州ミカン(120g)には炭水化物が14.3g含まれていて、
カロリーは54kcal。4個を食べると、コンビニのおにぎり1個のカロリーにほぼ等しいのです。
果物にはブドウ糖・果糖・ショ糖という糖質が含まれています。
糖質の組成は果物の種類によって異なるが、
糖質は原則として「1g=4kcal」のエネルギー源になります。
とくに最近の果物は甘いものが多いのです。
果物に含まれる果糖が直接に血糖値を上げることはありませんが、
そのため、食べ過ぎると糖代謝の悪化や中性脂肪の増加につながるおそれもあります。
食べ過ぎには注意が必要です。
果物に含まれる単糖類は、短時間でエネルギーになるため、
夜よりも朝食・昼食時に摂ることが勧めらます。
また、シロップ漬けになっている缶詰の果物やドライフルーツは
とくに糖質が多いので、なるべく控えた方が良いのです。
フルーツジュースも果糖などを加えて甘くしたものがあるのです。
イチゴ、キウイ、オレンジ、桃、ブルーベリーなどは、
比較的エネルギーが少なめで食物繊維も多いのです。
温州ミカン、柿、ブドウ、バナナなどは糖質が比較的多く含まれるので、
食べ過ぎには注意が必要です。
果物は、糖尿病リスクを減らし、がんや動脈硬化なども抑制してくれる強い味方です。
健康や美容にも役立つ。過度に敬遠することなく、上手にとりいれていきたいものです。