人間の体は基本的に空腹が設定されているのです。
もちろん人間の体は食物などから栄養を取り入れて活動していますが、
その食物が断たれてもすぐ動けなくなるようなことはないように設計されているのです。
血液や肝臓に蓄えた糖を消費して、
不足したエネルギーをカバーできるようになっています。
そしていろんな臓器から調達もしてくれるのです。
オートファジーはそのような機能をしてくれる危機対応機能なのです。
つまり空腹になったら俄然、機能開始するのがオートファジーなのです。
しかも、空腹時間が長ければ長いほど機能するのです。
人類の歴史は、飢餓とともに生きてきたのです。
全国民が食べことができるというのは、
戦後以降でまだ歴上、もっとも浅いのです。
人間の体は飢餓を想定してつくられており、
それはオートファジー現象を見れば分かることなのです。
過食、飽食は人体にはなじまないことなのです。
アルツハイマー、パーキンソン病など神経性疾患の病気リスクがアップします。
しかし、オートファジーが動けば、
機能しなくなったたんぱく質や不要物が問題を起こす前に取り除いてくれるのです。
細胞内の清掃をしてくれるオートファジーの働きで
ウイル性疾患、糖尿病、動脈硬化、がんなどの予防につながっていくのです。
しかし、加齢によってオートファジー機能が低下していきますので、
異常なたんぱく質、不要物を取り除くことができず、
細胞内のダメージが蓄積して、免疫力が低下します。
この機能低下は、過食、飽食によるもので、
この過食、飽食を自ら続けるのは、加齢をますます加速させていきます。
しかし、空腹時間をもうければ、オートファジーが活性化し、
細胞が健康になり、免疫力が高まります。
国立大学法人 東京医科歯科大学と国立研究開発法人 日本医療研究開発機構は、
「飢餓により誘導されるオートファジーに伴う“細胞内”アミロイドの増加を発見―過度な食事制限はアルツハイマー病を加速する可能性を示唆―」という
研究結果をプレスリリースしています。
内容は
・長らく謎であった脳神経細胞での誘導性オートファジーの存在を直接的に証明しました。
・アルツハイマー病における飢餓状態は病態に悪影響を与える可能性を示しました。
その際に、脳内の重要部位において細胞内ベータアミロイドが増加することを示しました。
・神経細胞の内部に生じるアミロイド沈着と神経細胞死の関連をはじめて示しました。
これらの成果はアルツハイマー病の病態解明と新規治療法開発への応用が期待できます。
東京医科歯科大学・難治疾患研究所/脳統合機能研究センター・神経病理学分野の岡澤 均教授の研究グループは、
生きた脳の中の神経細胞におけるオートファジーを観察する技術を
世界で初めて開発し、
アルツハイマー病態におけるオートファジーの新たな役割を解明しました。