私も生まれて初めて韓国でファスティングをしたときのことをいつも想起します。
私は保険の営業、代理店経営で一度も失敗はありませんでした。
計画した経営戦略はことごとく当たり、失敗は一度もなかったので、
成功に次ぐ成功、仕事もすこぶる順調に推移してきました。
ゆえにいつの間にか私自身が相当、自信満々となり、飛ぶ鳥を落とす勢いだったのです。
しかし、30年前、人生最初のファスティングで今まで経験したことのない
自分の弱さを知りました。
特に水だけのファスティング(韓国のキリスト教会は水と塩だけが圧倒的)でしたから、
体力もかなり喪失して、7日間、ずっと寝ていました。
自分はここまで弱かったのか、これほど情けないのかとすごくいらつき、
自分自身への失望を体験していたのです。
そして保険会社を設立するために東京に詰めていて、
家庭や会社のことは全部、妻に任せているような状況でした。
毎日、保険会社誘致のための交渉に会食しつつ会議や、
夕食などの接待に明け暮れしていました。
しかし、韓国でファスティングをしてみて、
いつの間にか自分のしていることを根本的に見直してみたら、
一体、自分は何をしているのか、すごく感覚が敏感になっていたためでしょうか。
これでは自分のだめだけだったのだと気づきました。
また、現実の自分の姿に大きく失望してしまったのです。
これは韓国でファスティングをするまで、
まったく気が付かなかったことだったのです。
そもそもファスティングは何のためにするのでしょうか。
たとえて言えば私たちは自動車のエンジンのように走り続けていますが、
このエンジンも汚れた燃料(オイル)では十分な走りはできません。
ファスティングは自分自身の中にある、毒を排泄するためにあります。
なぜなら有毒物質が私たちの体をゆきめぐっています。
特に日本は食品添加物王国であり、一生の間に何と7トンの食品添加物、
そして農薬など体の中に流れ込み、体を蝕んでいます。
ファスティングはそれらの様々な毒素を排泄してくれます。
また、ファスティングはは体の解毒(デトック)だけではなく、
心の解毒にもなるのです。そして悪夢、気分の揺れ、
これはみな黄色信号であり、病気の兆候なのです。
これらを克服しなかったら、自分自身の体も魂も崩壊してしまうのです。
しかし、私は韓国で生まれて初めてファスティングした時、
体内の毒素が排泄されるだけではなく、
精神的な大掃除が自分の中で起こっていたことを後で感じたのです。
そして人生を一変するものとなりました。
絶えず行っていた砂漠でのファスティングで、
繰り返し悪魔の誘惑にあったのですが、その体験は不気味なシーンとか、
かつての生活が思い出となり、断片的に心に浮かんできたといいます。
また食欲が心を満たして誘惑し、夜にはエロチックな少女が近づくことなど、
全部が一緒になって襲い、ものすごい想念の嵐だったともいいます。
そして彼の内面は超大型台風のようで、
大波がアントニウスを覆いつくそうしていたのです。
このような誘惑の体験こそが、人間の真の姿なのかもしれません。
分からないことかもしれませんが、
少なくとも霊的なファスティングの経験したときに始めて分かることなのです。