先日、長寿村の特色は、穀物主体で粗食だということを書きましたが、
これはひとえに太陽の恩恵をフル活用しているということなのです。
もう一度、おさらいしますが、穀類の主成分は炭水化物です。
炭水化物は、人間の消化酵素で消化される「糖質」と、
消化されない「食物繊維」で構成されている成分です。
穀類の栄養成分は「炭水化物」が50~70%、たんぱく質が6~14%です。
またビタミン、ミネラルも多く含みます。
穀物とは植物の種子を食用とするでんぷん質を主体とする食材をさします。
米と麦以外の穀物(キビ、ヒエ、アワなど)は一般に雑穀と呼ばれています。
また、豆類、そばを含む場合もあります。
特に『米、小麦、とうもろこし』は世界三大穀物と呼ばれています。
穀類に多い炭水化物は生体内で主にエネルギー源として利用される重要な成分です。
炭水化物から作られる「ブドウ糖」は脳の働きに不可欠です。
炭水化物(でんぷん)がブドウ糖に分解されるのには時間がかかります。
またごはんを噛むことによって消化・吸収も良くなります。
そして人間も動物も、植物も、すった空気とほとんど同じ量の空気をはいています。
人間や動物は、空気をすって、体の中に酸素を取り込んで、
二酸化炭素をはき出しています。
植物は、その反対で、二酸化炭素を取りこんで、光合成をすることで、
酸素をはき出しています。
また、人間と動物、植物がそれぞれ酸素と二酸化炭素をすったりはいたりすることで、
空気の中の酸素と二酸化炭素のバランスも、
ずっと一定にたもたれているのです。
ゆえに穀物は太陽の恩恵を受ける植物の中でも重要なものです。
中でも日本は瑞穂の国というお米を主体とした国が形成されてきました。
長い冬が終わり、太陽の光が次第に強くなる晩春に田植えが始まります。
そしてイネは太陽の恵みをいっぱい受けて、成長していきます。
一番、暑い夏に成長はピークを迎えます。
そしてイネの穂先は太陽のエネルギーをいっぱい宿して、重くなり、
頭を垂れて、収穫を待ちます。
まさにイネこそ太陽の恩恵を一身に集めた食べ物なのです。
そして太陽のエネルギーを集積したお米ですが、
日本人らしさを作ったのもお米です。
日本古来から昔からお米を大切にしてきたことはいうまでもありません。
米作りは、百行といわれ、100の手間がかかるといわれてきました。
それだけ手間をかけるところから、働き者という性格が生まれてきました。
また、お米は、一年間を通してじっくりと稔る作物です。
そのため、農家は、天候や自然を注意深く見守り、
自然から学び、米作りに生かしてきました。
その結果、自然を大切にする心が生まれ、日本人の中で大きく育ってきました。
また水を田に引くためには水路が必要です。
水路は大勢の大人が何人も集まって、
土を運んだり穴をほったりしなければ作ることができません。
そこから、みんなで仲良くするという性格、「協調性」が生まれました。
西欧の小麦は冬の作物なので、太陽の少ない時期なのです。
お米にはどれだけの太陽のエネルギーが蓄えられているか計り知れないのです。
ですからお米を食べるのは日本人の誇りであり、現在の長寿大国の礎なのです。