オムロンの「サイトに肥満はなぜ怖いか」
という分かりやすい記事がありますので紹介します。
肥満は、驚くほど多くの病気をまねく要因となります。
たとえば私たちの体内では、年齢とともに筋肉量や骨量が減り、
からだを支える力が弱くなっていきます。そこに肥満が加わると、
骨や関節への負担が大きくなり、腰痛や膝痛などの関節障害を起こしやすくなります。
転んだりして急に大きな負担を受けると、骨折を起こすことも少なくありません。
また肥満は、高尿酸血症から痛風をまねいたり、脂肪肝やすい炎を促進したり、
あるいは突然死の原因ともなる睡眠時無呼吸症候群にも大きな影響を及ぼしています。
多くのがんのリスクを高めることも指摘されています。
肥満との関係でもっとも注目されているのが、
また、これらの病気が重複して発症するメタボリックシンドロームとも、
密接な関係があります。
肥満を放置していると、こうした生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけたり、
もろくしたりして、やがて動脈硬化を引き起こします。
その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因ともなります。
日本人には小太りの人は多いのですが、
欧米人のような超肥満体の人はあまりいません。
それは日本人の場合、もともとインスリンの分泌能力が低いため、
少し太ると糖尿病をはじめとした生活習慣病になりやすく、
それ以上は太れないためです。
それだけに日本人は、肥満にはとくに気をつける必要があります。
肥満というと、「体重が重くなった」とか「下半身が太った」といったように、
体重や体型のことばかりを気にしていないでしょうか。
たしかにそれも、肥満の目安のひとつです。
でも生活習慣病との関連でいえば、
肥満とは体脂肪が必要以上に増えた状態のことなのです。
私たちのからだは、大別すると水分、筋肉、脂肪(体脂肪)からできています。
このうちの体脂肪は、エネルギーを貯蔵したり、内臓を保護するなど、
生命活動に欠かせない重要な役割をしています。
ところが体脂肪が増えすぎて肥満状態になると、さまざまな悪影響を及ぼします。
体脂肪は、年齢とともに増加する傾向があります。
その理由は、基礎代謝量
(呼吸や心臓の拍動など生命の維持活動のために最低限必要となる消費エネルギー)が
減少するためです。
基礎代謝量のうち、もっとも大きな割合を占めるのは筋肉ですが、
加齢とともに筋肉は減る上に中年になるにつれ運動をしない人が増えるため、
ほとんどの人は筋肉量が減少します。
それに気づかず、若い頃と同じように食事をしていると、
慢性的な食べすぎや飲みすぎの状態からカロリー過多となり、
それが体脂肪となって蓄積されます。
若い頃と体重があまり変わらない人でも、実は筋肉量が落ち、
代わりに体脂肪が増え、見かけの体重だけが同じということも少なくありません。
また仕事の忙しさなどから、食事を抜くなどの不規則な食生活をしていると、
からだが危機感をもち、食事から得たエネルギーを脂肪分として蓄えようとします。
それも体脂肪が増える理由のひとつです。