食品衛生法で添加物明記の義務が決められていますので、
スーパーなどでどのように見分けるのか学びましょう。
【缶コーヒー】の例
原材料名:牛乳、コーヒー、砂糖、全粉乳、デキストリン、カゼインNa、乳化剤、香料、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アセスルファムK)
表示ルールがありますので、
・最初に書かれているのが原材料なので「牛乳」、「コーヒー」、「砂糖」、「デキストリン」(注01)までです。多く使用されている順で書かれています。
・添加物はカゼインNa(注02)からです。これも多く使用されている順で書かれています。その次が、乳化剤(注03)、香料(注04)、酸化防止剤(ビタミンC)・・(注05)、甘味料(アセスルファムK)・・(注06)までが添加物です。
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注01・デキストリン
デキストリンとは、α-グルコースがグリコシド結合※1によって
重合した低分子量の物質の総称で、デンプンの仲間なのです。
まず、トウモロコシのデンプンを焙焼し、
アミラーゼ(食物として摂取したデンプンを消化する酵素)で加水分解します。
その中の難消化性成分を取り出して調製した
水溶性食物繊維が難消化性デキストリンです。
注02・カゼインNa
このカゼインを水に溶かしやすくするために加工したのがカゼインNaです。
商品中で、コーヒーとミルクが混ざり合った状態を保つために使用されています。
注03・乳化剤
水と油のような、本来混じり合わないものの境界面で働いて、
均一な状態を作る作用を持つものを乳化剤といいます。
例えば、マヨネーズは、卵黄中に含まれるレシチンが乳化剤として働いて、
サラダ油が卵や酢の中に均一に混ざっている食品です。
注04・香料
一般に香料は、様々な植物や一部の動物から抽出された天然香料、
化学的に合成された合成香料を多数調合して作られたものです。
これらはフレーバー、フレグランスに関わらず調合香料と呼ばれます。
フレーバーを調香する調香師はフレーバリスト、
フレグランスを調香する調香師はパフューマーと呼ばれています。
フレーバーとフレグランスの違いは一般的に
「口に入るものかどうか」で判断されます。
たとえば、歯磨き粉に使われる香料は口に入るものだからフレーバーです。
一方、柔軟剤や香水などに用いられる香料は口に含むことはないので、
フレグランスです。香料統計によると香料の国内シェアの割合は
フレーバーの割合が85%以上を占めています。
注05・酸化防止剤(ビタミンC)
発酵により製造されています。水に溶けやすく酸性で強い還元作用があり、
褐変、変色、風味の劣化などを防止します。
また、食品中で酸化されると、酸化剤の働きも持ち、
品質改良剤としても使用されます。
ビタミンCとして、栄養強化の目的で使用される場合もあります
(栄養強化剤として使用した場合は、表示が免除されます)。
注06・甘味料(アセスルファムK)
アスパラギン酸とフェニルアラニンという2つのアミノ酸が結合した人工甘味料です。
カロリーは砂糖と同じで1g当たり4kcalですが、
砂糖の100~200倍の甘さがあります。
フェニルアラニンを体の中で代謝できない「フェニルケトン尿症」の人は
摂取を避ける必要があります。
人工甘味料は他にアセスルファムカリウム、スクラロースがあります。