今年、ファスティングに関して振り返ると実に無責任で、
かついい加減なファスティングが横行した1年でした。
まず驚いたのが、SNSを利用して、
自宅でできる水断食を指導している方がいるようです。
正直、いくら規制がない業界とはいえ、何とも遺憾しがたいことです。
この方法は、断食施設でも死者が出ているぐらいで、
自宅で実施する場合、極めて危険な方法なので、
いくらサイトで自己責任といえども極めて無責任な指導です。
さらにこの20年間、酵素ジュース通信販売と断食指導が行われていますが、
これが本当の断食だといわんばかりにランディングサイト等を利用し、
高額な酵素ジュースを販売している超無責任な断食指導が
まかり通っていることも残念なことです。
またいわゆるこの1年間は、断食本がベストセラーになった年でした。
まずこれらの本を詳細に読まず、生噛りで書かれたことを勝手に拡大解釈し、
自宅で自己勝手流に断食しておられる方がリバウンドで大失敗して、
まさに駆け込み寺のように私どもの施設に来られた方が相次いだことです。
日本でこのようなデタラメな断食がなぜ横行しているのか、
その理由は明らかです。
1・断食を基本にした宗教が存在していない
2・断食を総合的に指導できる指導者がいない
3・日本の近代医学が断食を否定している
この3点に尽きます。
本来、断食は宗教と切り離せないことです。
それは断食のルーツを調べて行けば自ずと分かることです。
ルーツはすべて聖書にあります。
なぜなら断食が100回以上、単語として登場する聖典は聖書以外にありません。
その聖書をベースにした宗教は、
キリスト教、イスラム教で、信徒数は世界の55~60%、46億人に達しています。
起源はユダヤ教ですが、この数は極めて少数で、
全世界でわずか1350万人であり、民族宗教です。
礼拝参加率は全国民の50%を超えています。
一斉断食を実行していますので断食が日常化しています。
しかも聖書には正しい断食方法が詳細に書かれています。
その教えの通りに断食をするのが、キリスト教、イスラム教なのです。
しかし、日本は無宗教の国であり、
日本の仏教も神道や新興宗教で断食をベースにした教えは全くありません。
したがって自己勝手流の先に述べたような断食が横行するのです。
そして日本の医学は断食を否定していますので、
断食を取り入れた予防医学もなく、日本独自の対処療法中心の
偏った近代医学がまかり通っています。
日本人は断食を日常生活の中でする習慣は皆無なので、
いい加減な断食方法に翻弄されてしまうのです。
今年1年間、そのことがネットなどSNSで拡散され、コロナ禍により、
リモートワークもあいまって、自宅などで自己流にする断食大流行であった理由です。
日本独自の大きな問題は、断食を基本的に定めた宗教の欠如であり、
霊的分野が欠落していることです。
断食の基本に戻らなければならないことを痛感しています。