甲田光雄医師は40年間の断食指導で甲田療法を伝えて来られましたが、
様々な健康法を実践し、研究されて来られました。
そして多くの臨床経験から命を大切にすること、
そしていかなる様々な健康法を実践しても過食を続ける限り、
一時的に健康にみえても結果は病気に倒れ、しかも平均寿命にも到達できないし、
長寿も全うできないことになります。
これも「いのち」を無駄にしている人間本位の横暴以外のなにものでもない
ということのツケなのです。
まさに少食は、「愛と慈悲」(甲田医師流のことば・仏教思想)を実行してのみ、
健康な社会の回復となるのです。
聖書では仏教よりも旧約聖書の箴言(注・01)でこのことを厳しく戒めています。
23:2 あなたが食欲おうせいな人間なら/自分の喉にナイフを突きつけたも同じだ。
23:7 彼はその欲望が示すとおりの人間だ。「食べるがよい、飲むがよい」と言っても/心はあなたを思ってはいない。
日本は1億総半病人といえますが、
それは飽食という食欲、美食の食生活がもたらしたものです。
日本ではこれを戒める箴言のような戒めを
日々、いやせめて週1回でも体に刻み込む宗教が存在していないのです。
日本人の心の支えである仏教にあるはずが実際面では何もないのです。
事実、私の知っている限りのお坊さんは、全員、大食、大酒飲みです。
また、国民のいのちを守る農業、食品産業、医療すべて狂っているのです。
農薬、大量の添加物、抗生物質などの薬漬けです。
これが問題だと指摘して国家の流れを変えるような指導者がいないのです。
そして日本だけではなく、地球自体が文明の利得で温暖化などが進行しています。
自分たちの欲望のために招いた結果です。
そして日本では戦後、肉中心の生活になってしまったことです。
肉食は牛、豚に草、穀物を食べさせて人間が食べるのですが、
100gの肉を食べるには、数倍から10倍の穀物を必要としています。
牛、豚に与えるトウモロコシ、小麦を人間が食べれば、
地球上から飢える人たちがゼロになるのです。
今も飢えている人が数億、肉食中心の美食、飽食が数億人なので、
人類は肉ではなく、穀物中心の贅沢を戒めなければならないのです。
そして肉食の食べ過ぎは様々な病気を生み出します。
たとえばガン(主に乳がん、大腸がん等)や糖尿病、痛風などが増加し、
まさに1億総半病人と化しています。
(注・01)箴言
ユダヤ教では「諸書」の1つであり、キリスト教では知恵文学の1つ。
内容は教訓の集合で、様々な徳や不徳とその結果、
日常における知恵や忠告等である。
『箴言』中の格言の多くはソロモン王によって作られたとされている。
これは、律法に関する五書がモーセの名で呼ばれているように、
知恵文学(箴言、コヘレトの言葉、雅歌)はソロモンの名で呼ばれる。